2012-01-01から1年間の記事一覧

エネルギーを中心とした内外情勢

1.安倍内閣の始動 2.麻生財務大臣の為替レートの見方 3.北極海航路とロシア 4.発送電分離の是非 5.南アフリカの石炭液化技術 6.中国の水増しと水不足 7.米国シェールガス革命と雇用 1.安倍内閣の始動 今年の冬は思いのほか寒くなった。その…

復興と強靭化へのリーダーシップ

安倍内閣がスタートした。重厚な布陣だ。「全閣僚が経済再生、復興、危機管理に心がけよ」との指示がでているという。重要な課題は複数の大臣が担当するように組み立てられているようだ。チームとしての連携重視ということだろう。 1.最初にやるべきことは…

TPPとグローバル・スタンダードの正体 

数日前に、経済学者で国内では高名な大学教授がTPPへ参加すべきと論じている新聞への寄稿を読んだ。ただその理由が実にお粗末だった。自由貿易を支持していること、韓国がそれで上手くいっていることを理由に挙げていた。正気だろうか。 今月米国のある投資…

南北朝鮮のこと 正しい歴史認識

1.韓国の大統領選挙が終わった。 朴槿恵氏が韓国大統領に選ばれた。最終的な候補者討論会で言い負かされて、保守派が国家存続の危機を感じて、投票率を上げたという見方がある。日本のメディアは経済の格差是正が韓国民の関心事だったと報じていた。しかし…

選挙が終わった

1.選挙が終わった 総選挙で自民党が大勝した。将来に確信があるわけではないが、ようやく迷走・混迷・停滞の時代が終わり、新たな展開が始まると感じている。予想以上に旧民主党への支持は落ち込んだ。野田首相が党首を辞任し、22日には党首選になるという…

「ヨーコ物語」について

「ヨーコ物語」というのは「So Far from the Bamboo Grove」という原題で日系米国人ヨーコ・カワシマ・ワトキンス が1986年出版した自伝的小説だ。日本では翻訳されていないので知る人は少ない。戦争の悲惨さを訴える資料として、米国では優良図書に選ばれ中…

離着陸訓練 もう一つの基地問題 

岩国錦帯橋空港が開港した。48年ぶりの民間航空機による定期便の復活だという。まずは関係者にお慶びを申し上げたい。基地移設というと普天間や辺野古が思い出されるが、岩国も、空港の沖合い移設や空母艦載機の受入れでゆれてきた街だからである。 基地移設…

投票日まで、あと1週間

複数の報道機関による選挙序盤の見通しが6日にそれぞれ公表された。有権者の半分は、まだ投票先を決めてはいない段階ながら、自民党の優勢を伝えている。自民、公明は選挙運動の引き締めに入り、他の党は最有力の自民党の批判を始めた。民主党70議席の数字…

政治経済短観 12月5日

(1)日本の総選挙が始まった 衆議院選挙が4日公示された。16日が投票日となる。全国300の小選挙区と比例代表11ブロック(180議席)計480議席を争う。新党が相次ぎ計12党が乱立していると報じているが、政界再編の過程だと考えられる。大事なことは誰も口にし…

失敗百選を読みながら 経験の伝達

中央高速の笹子トンネルで崩落事故が起こり、何名か亡くなられている。天井コンクリートパネルの中央取付金具の不備ではないかといわれている。まだ真偽はわからないが、メンテナンスのための打音テストをやっていなかったらしい。作られてから35年経ってい…

福建省の戦闘機と北のミサイル

中国の新しい空母は「張子の虎」だと10月に書いた。その時は、実際には空母から離陸する戦闘機の写真はなかった。甲板の上に並べられた戦闘機の写真もなかった。超低空で飛んでいる姿が空母から写されて公開されただけだったため、この空母は最終的にはヘリ…

沖縄の自由と米国上院の決議

1.沖縄の自由 何故、あれだけ大きな沖縄の天皇皇后両陛下歓迎のちょうちん行列についての報道が全く報道されなかったのかについては、本当に不思議だった。この問題について、桜チャンネルが沖縄特集を組んでいた。 沖縄では、実際には米軍が起こす事件よ…

韓国大統領選挙の行方

1.韓国大統領選挙 韓国大統領選挙は12月19日が投票日だという。安哲秀教授は結局、出馬を取りやめた。野党統一候補と与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)候補の一騎打ちとなった。世論調査では両候補の支持率は追いつ追われつの大接戦だという。選挙期間中…

激化する2番手争いと「民主党Bの衣替え」

総選挙の公示が1週間以内というタイミングで、先行する自民党を追って「2番手争い」が激化している。これまでの世論調査によれば、2番手は維新の会であり、与党の民主党がこれに次いでいた。 ここにきて、それに出遅れ埋没していた政党が、滋賀県の嘉田由紀…

総選挙の争点と沖縄の提灯行列

事実上の選挙戦が始まった。問題の本質を捉えるために単純化することは大事だと思うが、今回の選挙の争点をTPP賛成か否か、脱原発か否か、消費税賛成か否かとマルバツ式で単純に捉えるのには抵抗がある。街頭演説の動向を伝える報道で、民主党の大きな問題点…

新嘗祭と金融政策 インフレ率は3%

1.時論 モンゴルで日本と北朝鮮の政府間協議が行なわれ、できるだけ早い時期に再び局長級協議を行うことになったとという。北朝鮮もお金が必要なのだろう。その交渉経緯を説明した外務大臣が次の交渉が選挙の投票日の直前になることを今から気にしているの…

英語重点主義 時間の問題

この11月に小学校と大学で英語教育に関する興味深い発表があった。 一つは大阪市教委のもので、2013-2015年度の教育目標を定める教育振興基本計画で小学1年生から英語授業を始め、小学校卒業時に英検5〜3級、中学校卒業時に英検2〜準1級の合格を目指す…

中国とのこれから

1.日中関係と中国バブルの行方 新たな「中国の7人」が決まった。習近平氏と李克強氏以外の5人は江沢民派だという。5年後に共産党の青年団出身者が主力になるための布石が敷かれたと見る人もいれば、スキャンダル暴露合戦が共産党支配を揺るがすことがない…

総選挙30日前の見通し 

衆議院が解散した。迷走、混迷、停滞の民主党3政権だった。今でも社会保障改革と一体となった増税とメディアは言っているが、増税以外はほとんど議論していない。消費税収入の用途、脱原発、TPPの推進が争点だとするメディアの議論には抵抗を感じる。経済を…

政治短観 11月14日

特例公債法案の合意と選挙制度改革の0増5減を先行することで、解散の条件が整い、ここにきて1週間ほど前から年内解散説がメディアの一致した見方となっていた。首相もその意向を固めたと伝えられたが、12日の民主党常任幹事会の総意として解散に反対だとな…

中国の天才と人災

米国大統領には、オバマさんが再選された。米国民の投票行動の人種別統計が印象的だった。ヨーロッパの政治を観察していても、多文化主義はうまくいかないという結論が出ているかのようだ。8日より北京では習近平氏が最高指導者となる共産党大会が始まった…

1972年1月の尖閣諸島 武藤貞一の大局観

武藤貞一(1892-1983年)さんという戦前、戦中、戦後に活躍された評論家が80歳となる昭和47年(1972年)1月に書かれた所論を読んでいる。毛沢東が1893年生まれなのでほぼ同世代だ。以下、その大局観に脱帽し、要旨を紹介したい。中国の活動の焦点の一つは、…

離島奪還訓練の中止と尖閣諸島の価値

11月3、4日の共同通信の世論調査で野田政権に対する支持率が11.5%下がり17%台となった。もう一つ唖然とすることが報じられた。11月5日から16日まで行なわれる日米共同演習で、沖縄県の無人島で計画されていた離島奪還訓練が岡田副首相の中国へ配慮すべ…

内外情勢 2012年11月

(1)もはや政権の体をなしてはいない民主党内閣 田中文部科学大臣は「大学設置・学校法人審議会」が2013年度の開校を認可した大学3校について、認めないとした。文部省は3校に問題はないが、3校は来春の開校ができないという。変な話だ。短大の4年制へのシ…

シャットダウン 妄想内閣 

臨時国会が始まった。首相の所信表明演説があったが、国民生活を人質に、強気一辺倒で野党が妥協することを狙っているようだ。追い詰められているため、少しでも弱みは見せられないということなのだろう。自民党の安倍さんの質問に対する与党の野次が酷かっ…

増税、新党、エネルギー

1.それを日本ではサギと呼ぶ 民主党にも税制調査会があるという。議論する前から結論が決まっているならば調査会は必要ない。その会長氏が、「ゼロ成長でも増税できる」と述べたという。デフレから脱却できなくても消費増税は可能との見解を示したという。法…

看板を架け替えても

解散時期を明示できないため自民党、公明党との話合いは決裂した。法務大臣が体調不良を理由に辞任した。年内解散論を主張する閣僚に執行部は不快感を示しているという。何が起こっているのか国民にはわかりにくい。既に民主党内閣は分裂していて収拾がつい…

張子の虎と絵に描いた餅

中国の反日暴動のために保険料率が上がっているという。中国の経済制裁は日本国内でも影響を及ぼし始めた。沖縄の9月の観光客数を見ると、中国からのお客様は200人減少したとのことだ。8月までは前年同月比で大幅に増加していたので、マイナスになったインパ…

靖国神社への参拝 冠婚葬祭は土地の習俗

自民党の安倍晋三総裁が靖国神社の例大祭に参拝された。民主党でも二人の大臣が参拝した。ロイター通信と日本の共同通信は、「釣魚島をめぐって中国との関係が緊張している中、靖国神社を参拝したことは中国をさらに怒らせ、中国、南北朝鮮の隣国の反日感情…

延命政権の暴走 責任は野党に予算は与党で

自公民の3党党首会談が決裂した。首相は衆院解散の時期を明示しなかったという。誰が見ても延命しか考えてない内閣だと思う。大臣の起用についても「滞貨一掃」とか「思い出作り」といわれても仕方のない面がある。 首相は、予備費を活用して景気対策をと言…