2012-01-01から1年間の記事一覧

アフガニスタンの小麦とウズベキスタンの桜

1.アフガニスタンの小麦 たまたまテレビをつけたら「緑」のアフガニスタンが映っていた。荒涼たる荒地のアフガニスタンの写真しか見たことがなかったので少し驚いてみていた。戦争が始まる前のアフガニスタンは緑あふれる国であり、小麦を自給していたとい…

ノーベル賞と「血と労苦と涙と汗」

多くの懸案を抱えながら国会を開けない民主党政権のニュースが報じられるたびに、次第にフォローをするのが馬鹿馬鹿しくなった。政権政党であるにもかかわらず、失敗を野党のせいだとする態度が醜悪だ。優れた政治家には、正しく将来を予測する能力と、それ…

沖縄と東ティモールの歴史の類似

オスプレイ配備に関して、沖縄の引退した大物政治家が「本土は沖縄をいつまで植民地扱いにするのか」と批判していることを、ある政治評論家が週末のテレビ番組で紹介していた。 実は沖縄の歴史と社会を調べていて、大物政治家氏とは全く違う視点で気がついた…

転換点にきた中国の経済社会

1.中国と韓国の「反日」 黄文雄先生は、中国・韓国の「反日」は一部の国民だと主張されている。その理由はここ数十年、日本への密入国、帰化、さらには日本人と結婚した人数において、中国、韓国は常にトップを争っているからだ。生理的に「反日」なら、こ…

内外情勢 2012年10月

1.米国の意思と空母の負担 2隻の米国空母のうち1隻はマレーシア近海に、もう1隻は台湾東方沖に布陣しているとのことだ。マレーシアはブルネイとともに南シナ海の南部に面している。つまりマレーシア近海とは、今まで海南島の制空権が及ばず、今年就役した…

静かに高まる緊張 2012年10月

夏の前半はロンドン・オリンピックで寝不足になったが、ずいぶん昔のことのようだ。夏の後半は国際政治の現実に振りまわされた。台風が過ぎ去って、オスプレイが岩国から沖縄に配備された。岩国・普天間間1000キロの距離を2時間ほどで何事もなく飛んだ。県知…

沖縄の歴史と社会 

1.強い国、豊かな国、子供に誇れる国へ 国際政治のニュースが多い中で、米中両国が通貨供給量の増加を図った。日銀も10兆円の円の追加供給をしたが、円相場の動きを見れば、折込済みだったというところだろうか。やはり日銀法の改正が必要かもしれない。自…

第3次アミテージ・ナイレポートへの共感と違和感

やや旧聞になるが、8月15日、アミテージ元国務副長官とジョセフ・ナイ元国務次官補を中心とした超党派のグループが、日米同盟についての提言「第3次アミテージ・ナイレポート」を発表した。「武器輸出三原則」緩和と「集団的自衛権」容認を論じた2000年、200…

尖閣・沖縄侵攻の危機 

1.どんぐりの識別基準 西村眞悟さんのブログが抜群の切れ味だ。「どんぐりの識別基準」は秀逸だった。彼は、この重大時局に、民主と自民が内向きの代表選挙をしていると怒っている。以下の問題に対して何も発言しないのは、国家と民族の危機における責任感…

着眼大局 日本の希望

1.民主党政権の終わり 民主党の代表戦が始まった。選挙用の看板に期待された議員は福島復興を理由に代表選挙に出なかった。福島を理由にするなら上ばかり見ていないでもっと働けと思う。「できもしない、やれもしないと、わかっているけど大衆受けするよう…

中国の反日デモの裏の混乱

反日デモを報じるテレビニュースの中に異変を感じた。動画でみるとハッキリわかるが、反日デモに迫力がないのである。その一方で中国の新聞各紙が大々的に反日デモを報じているという。奇異だ。中国で大々的に報じられるためには、共産党の指導が必要である…

天下の暴論 2012年9月

1.暴力は排除されたのか 六本木で焼き肉店経営者が目無し帽の男10人に撲殺されるという惨い事件があった。犯罪率は統計上は減少しているようだが、大都会の治安が悪化しているのではないか。米国の治安悪化地区の犯罪ドラマのようだ。暴力団対策法に続いて…

内外情勢 2012年9月

1.東アジアの動き 8月のこのブログは意図したわけではないが韓国特集のようになってしまった。民主党政権はあまりにも無警戒すぎた。首相官邸や議長の公邸にお出入り自由の韓国や中国の大使館員が多いと週刊誌に書かれ始めた矢先だった。韓国の様々な日本非…

次は竹島海域で海底資源の開発が始まる

野田首相の親書を韓国は受け取らなかった。日本の韓国大使をすぐに帰任させたことで既に相手方から足元をみられているようだ。冷静にと多くのメディアは書いているが、早く淡々とした制裁措置を打ち出すことが必要だと思う。制裁問題に打ち止め感が出てこな…

李承晩時代 作られた反日感情

1.韓国の近現代史を学ぶこと 日本が1945年8月15日の戦争に負けた後、朝鮮がどうなったのかについて、またその前の植民地統治がどうだったのかについて、歴史の授業として日本ではほとんど教えられていない。 だからなぜ反日感情が生じたのか、ほとんどの日…

竹島事件と慰安婦問題

1.8月10日竹島事件 韓国大統領の竹島訪問とそれに続く発言は、日本国民に静かな怒りを生じさせている。政権末期になると韓国大統領はいつも様々な発言をしているが、努めて小さく扱われていた。今回はニュースとして、何回も、大統領が竹島の岩に登る映像…

対韓国外交 

消費税増税法案が参議院でも可決され成立した日に、韓国の大統領が竹島を視察した。日本政府は急に「毅然とした態度をとる」と言ってバタバタしだした。しかし行き当たりばったりの人たちに、きちっとした対応はとれるとは思えない。マキャベッリの政略論に…

総選挙へ 2012年立秋 

衆議院に不信任案が提出されるという。現在の480議席のうち欠員が1名なので、過半数が240。現有議席は、与党の民主党が249で国民新党が4、野党の自民党が120、公明党が21、小沢新党と新党大地が50、共産党9、社民党6、みんなの党5、改革4、たちあがれ日本2、…

内外情勢 2012年7月

1.ジリジリとした暑さの中で オリンピックが始まった。サッカーU23の日本男子が優勝候補のスペインに勝った。最大の番狂わせだが実力で得た結果とのことである。メディアは、オリンピック一色になりつつあるが、スポーツ以外にも、幾つかの記録すべき出来…

天下の暴論 オスプレイと原発

民主党からの議員の離脱が絶えず、国会は梅雨明けとともに、総選挙ムードが高まりつつある。民主党幹部は、民意を甘く見てはいけないと言ってオスプレイの配備見直しを言い出した。もはや民主党には国民を説得する力は無い。党内の議員を説得する力もない。…

政権の寿命と盧武鉉政権の亡霊

1.政権の寿命 政権支持率の低迷と裏腹に、この1ヶ月ほど、国内外で、野田首相の力量を称賛する文章を時々目にするようになった。与党を分裂させてまで消費税増税に目処をつけたかららしい。本気だろうか。それにつれて政権幹部も強気の発言をするようにな…

池本農業政策大観を読む(2) 国土の活用、水の活用

7月に入って、メディアは民主党の分裂を追いかけている。主流派と反主流派と新党の3つに分かれるらしい。しかしその差に意味があるとは思わない。次の総選挙のテーマは、彼らが主張する反消費税や反原発、更には社会保障の在り方ではない。問われているのは…

池本農業政策大観を読む(1) 鐘紡の志

今年百歳になられる1912年生れの武田邦太郎先生が30歳の時に石原莞爾将軍にすすめれてまとめたのが、池本農業政策大観である。今から70年前に出版された。軍事の天才石原閣下が農政の国宝的天才と考えていたのが、フランス農村物語を書かれた池本喜三夫先生…

英文教育勅語、英語教育、教員教育

1.英文教育勅語の成立 6月も終わりに近づいた。クォーター制の学校ではもう試験は終わったろうか。クォーター制では10週の授業、セメスター制では15週の授業を前提に授業計画が立てられる。あと1ヶ月でロンドン・オリンピックとなったが、話は、1907年のロ…

仮説としての政界展望 2012年6月26日

先週末から、メディアは、消費税増税と民主党の分裂騒動ばかり報じている。個人的には、「分裂」というより崩壊が始まったと考える。また「社会保障との一体改革」というよりは単に増税といった方が的確だろう。3党合意ができた時点で、既に政策としての民…

モンクット王工科大学物語 もう一つの東海大学

タイのMITと言われているモンクット王工科大学の物語を読んだ。タイの製造業を支えている大学だ。モンクット王は、日本ではラーマ4世として知られている。というより、ユルブリンナーのミュージカル映画「王様と私」の王様のモデルとして知られている。でも…

内外情勢 2012年6月

1.国内 民主党の「消滅」 旧聞に属するが、6月の初めに、問責された2閣僚の更迭を含む内閣改造が行われ、防衛大臣には民主党に厳しかった森本さんが任じられた。防衛大、防衛省、外務省の出身といっても温厚な人柄とバランス感覚で国民に親しまれている方…

熊本、蘇峰、国史より観たる皇室

熊本は、維新十傑の一人といわれる国是三論を書き、幕末に、その先見性で尊敬された横井小楠(しょうなん)が生まれた土地だ。明治国家の法律的基礎を固めた井上毅(いのうえこわし)さんも熊本出身だ。その井上さんと一緒に教育勅語を検討したのが、だいぶ…

スパイ報道の波紋  

在日本中国大使館の1等書記官が、警視庁の出頭要請を受けながらすでに出国していたことが報道された。警視庁は、この書記官は、外交官であることを隠して外国人登録証明書を不正に取得し、日本でスパイ活動をしていたとみて調べているという。書記官は中国の…

早く選挙をしたらどうだろう

1.早く選挙をしたらどうだろう 格付け会社大手のフィッチ・レーティングスが、円建ての日本国債の格付けを「ダブルAマイナス」から1段階引き下げて「シングルAプラス」にしたと5月22日に発表した。格下げは2002年11月以来、9年半ぶりだ。フィッチのレポー…