2014-01-01から1年間の記事一覧

選挙が終わって  今後の日本政治

選挙が終わった。終盤300議席を超すかと予想された自民党は単独で290議席を獲得し1人を追加公認した。安倍首相は24日に首相に指名され、第3次安倍内閣が発足する。東京1区で、民主代表の海江田氏は自民前職に敗れ、比例代表でも復活できず落選が決まり、民…

衆議院選挙 投票日1週間前

公示後、大手のメディアは序盤の選挙動静として一様に自民党300議席超えという報道を始めた。今回の選挙は、消費税の引上げ延期とアベノミクスの継続を名目にしているが、安倍政権の信任投票だと考える。 今回の公示前の時点での480議席の内訳は以下の通り。…

景気対策が効かない日本の景気対策

世の中は12月14日の総選挙に向けて騒然としてきた。GDP速報値は▲1.6%だという。速報値でこんなに騒ぐのかとも思う。12月8日に確報(第2次速報)が発表されるが、そこでどう修正されても誰も文句は言えないが、ここで早めの景気対策をとるという。GDPを500兆…

日韓関係ノート 感謝と慰労のための官房長官談話を

1.ジェットコースターに乗る日韓関係 日本語と英語の「(朝鮮)半島問題」の文献を読みだして、もう数年になる。流行に左右される方ではないが、韓流ブーム全盛時代が来たと思ったら、あっという間に大「嫌韓」時代となった。嫌韓本に対する批判もあるが、…

アフリカの不安は、中国の不安。そして世界の不安

エボラ出血熱も問題は、保健衛生上の問題にとどまらず、このままいくと国際的な人の往来や国際的な観光の減少、食品の輸出入の減少、ひいては経済の縮小につながりかねない。米国でもその制御に失敗したことが報じられているが、世界ではWHOの失敗だという人…

足元の国際情勢と日本外交の動き

朝日新聞は9月11日になって謝罪記者会見を開いた。紺屋の白袴とはよく言ったものだ。福島原発に関する吉田調書の誤報取消と謝罪に加えて、付け足しのように慰安婦問題の誤報取消への謝罪が行われた。どちらも誤報ではなくて、事実としては捏造である。責任追…

韓国との現在 2014年夏

①都知事 舛添都知事が7月に訪韓し朴大統領と面談した。都知事は、安倍首相のメッセージを預かってきたと言ったらしいが、親書も持たさずに、メッセージを預ける首相はいない。韓国の問題になると、都知事はいつもの分析のキレがなくなり説得力がないと思う。…

まだまだ続く「歴史の見直し」

今月の初めの朝日新聞の慰安婦に関する「強制連行」の記事取消は、北朝鮮が「拉致問題」を認めた時と同じかそれ以上の衝撃で、「歴史の見直し」をすすめていくことになるのではないだろうか。戦争を礼賛する訳ではない。戦争の真実がわからないと、次の戦争…

17条憲法を読む

英国には憲法がない。体系的な憲法をつくらず、議会の決議や裁判所の判例、国際条約などをから、国家に関するものを英国の憲法に相当するものとして扱う。英国では、1215年のマグナ・カルタから始まるらしい。「長く国民の生活を律してきた伝統および常識こ…

胸突き八丁、試練の秋

7月17日のマレーシア航空機の撃墜事件以来、米国を中心とするロシア孤立化政策がまたすすみ出したかのような報道が続いている。はたしてどこまで欧州がついていけるのだろうか。事の善悪・適否・好悪を別にすれば、米国政府や指導者がロシア非難に使っている…

ウクライナ問題と反中同盟

ウクライナの西部と東南部では、歴史が異なり、言語と宗教が違う。なぜ一つの国でいるのかで幾つも論文がかけそうな地域だ。今回のマレーシア航空機事件の真相はわからないが、反政府軍がミサイルを誤射したという説が有力だ。 その後の展開は、ガザの問題を…

「鳥啼き魚の目は涙」から

コンビニで売っている塩サバが実に美味しい。身が厚く背中の縞模様が鮮やかなノルウェイ産だ。伊豆では冬でもこんな魚は獲れない。今年はジェット気流が大きく蛇行しているという。そうだとすれば気流に引っ張られる黒潮も大きく蛇行している。水温と海流に…

2014年後半の見通しと覚悟

4月の半ばから、しばらくブログを書くのがなんとなく億劫になっていた。外国のこととはいえ、何も手を打たずに、300人以上の方が亡くなる韓国珍島でのフェリーの痛ましい沈没事故の報道を延々とテレビ・ニュースで見させられたこともある。報道された事実を…

ウクライナの混迷が長期化することの意味

昨年の秋の時点で、EUはウクライナのような貧乏な国が構成国に増えるのを望んでなかったと想像される。歴史的な経緯からロシアが怒るのも理解していた。ウクライナのヤヌコビッチ前大統領は、EUと交渉してみてもお金がでないのに呆れていた。一方、ロシアの…

春乏

中国の大手不動産会社が破綻した。これを中国バブルの終わりの始まりとみる人がいる。中国の大気汚染はますますひどく、大気汚染があるために中国で働きたくないという人が増えているようだ。海を隔てた日本にも、大気汚染の影響が出ている。 内モンゴルの石…

正義のための戦争をしてはならない

3月19日に硫黄島で69年前に敵味方に分かれて死闘を繰り広げた日本とアメリカが、合同で戦没者の慰霊祭を行ったという。日本軍の死傷者23千人、米軍の死傷者29千人。日本側のほうが少ないようだが、日本側は22千人、米側は7千人が亡くなっている。本年から遺…

古典はその国の言葉で読む  井筒先生ノート

井筒俊彦(1914-1993年)先生は、ギリシャ語、アラビア語、ヘブライ語、ロシア語など20か国語を習得・研究し、禅、密教、ヒンドゥー教、道教、儒教、ギリシア哲学、ユダヤ教、スコラ哲学などを横断する独自の哲学の構築を試みた世界的な大学者である。今回はア…

タタール、ロシア、イスラーム、そして日本

1.タタール、ロシア、イスラーム 司馬遼太郎さん(1923年‐1996年)と井筒俊彦先生(1914年-1993年)の対談を読んでいたら、井筒先生が大学の助手をしているときに、最近クリミヤのニュースに出てくるタタール人から、アラビヤ語とイスラム教を習ったという話…

グローバルリーダーの育成とグローバル教育  

1.グローバルリーダーの育成 2.企業の人事部門と大学教育 3.グローバル教育 1.グローバルリーダーの育成 マッキンゼーの人材育成、採用マネージャーだった伊賀泰代さんの「採用基準」(ダイヤモンド社、2012年)という本の表紙には「地頭よりも論理…

台湾の将来は台湾が決める

米国で国家安全保障を担当するライス大統領補佐官は11日、米国の在外公館長らを集めた会議で「ウクライナ情勢は米国の指導力に関する基本的な事実を証明している。・・・米国の経済力や軍事力、同盟国のネットワークは、どの国も対抗できない。・・・真の…

アジアからの米軍の撤退

1.ウクライナの石油 3月14日の金曜日に世界的に株価が下がった。クリミア半島での住民投票をめぐる情勢の緊迫化と、中国が景気減速下にもかかわらず民間債券のデフォルトを許容する姿勢を打ち出したことが原因だという。日本の石油・天然ガスレビューが201…

人材育成と行動面接

思うところあって、昨年の半ばから、人事の本を集中的に読んでいた。やや古い本だが、人事コンサルタントの伊東朋子さんが、2008年7月に幻冬舎メディアコンサルティングから出された「科学的手法で絶対に成功する採用面接」が個人的にはとても面白かった。も…

韓国問題の核心 締結に14年かかった日韓基本条約

先日、韓国の外務大臣が、ジュネーブの人権委員会でまた日本を非難したという。大統領も、外務大臣も、謝罪しろということは、お金を出せということだ。知人の年配の方に、現代韓国史を少し勉強しているというと「一体どうしてこうなってしまったのか」と聞…

時論 2014年3月

ソチではパラリンピックが始まり、日本の選手が大健闘している。救難信号も出さずに行方不明となったマレーシア航空機はまだ見つかっていない。自衛隊も捜索に協力するという。3月10日は東京大空襲の日であり、3月11日は東日本大震災の日だ。あれから3年がた…

天下の暴論 2014年3月

1.静岡空港問題 泥棒に追い銭、悪女に深情け、ハダカの王様 2.「アンネの日記」事件の闇 3.ウクライナの資源と欧州市場の争奪ゲーム 1.静岡空港問題 泥棒に追い銭、悪女に深情け、ハダカの王様 「新幹線に静岡空港駅を設置すると東海道新幹線の輸送…

ウクライナからアジアへ

1.クリミヤ半島はロシアの影響下へ 2.米国は大丈夫だろうか 3.ドイツとロシアの協調 4.ウクライナからアジアへ1.クリミヤ半島はロシアの影響下へ ロシア軍と思われる国籍不明の武装勢力がクリミヤ半島を出現した後、オバマ大統領は「ロシアがクリ…

守っているのはロシア側

2月24日、ロシア軍の戦略核爆撃機が、竹島と中国・韓国が領有を争っている地域の上空を飛行し、韓国がスクランブルをかけたという。ロシアの女子選手が金メダルをとったことに対して、異常な抗議が韓国からなされたことへの反応だろう。韓国のロシア批判はそ…

宗谷トンネルが拓く日本の新たな地平 第四の矢

1.ソチでの首脳会談 2.「引き分け」の意味 3.宗谷トンネル 4.日本の新たな地平 第四の矢1.ソチでの首脳会談 少し前のことになるが、ソチの冬季オリンピックの開会式に出席した安倍首相は、プーチン大統領と首脳会談に続けて非公式の昼食会を行った…

ソチとウクライナ

黒海沿岸のソチでの冬季オリンピックが終わった。新たな多くの物語が生まれた。ウクライナの騒乱は、ロシアが冬季オリンピックで動けないうちに始めたのかもしれない。欧米各国は新たな政権への移行を後押ししているが、ロシアは当然否定的だろう。ヤヌコビ…

内外情勢 2014年2月 国民の統合

1. グローバル化と国民の反発 2.ウクライナの帰属意識 3.エストニア国境 4.日本国憲法 5.日本の美学 6.国際政治の非情さ 7.オバマ政権のリバランス 8.中国に対抗するインドとロシアそして日本 1. グローバル化と国民の反発 欧州を東欧・西欧…