激化する2番手争いと「民主党Bの衣替え」

 総選挙の公示が1週間以内というタイミングで、先行する自民党を追って「2番手争い」が激化している。これまでの世論調査によれば、2番手は維新の会であり、与党の民主党がこれに次いでいた。
ここにきて、それに出遅れ埋没していた政党が、滋賀県嘉田由紀子知事を担いで、脱原発を旗印にした新党を結成した。実態は、小沢新党と減税日本と亀井氏などが合流し、緑の風が衆議院選挙で連携するという。これで、第三極は「日本維新の会」と「日本未来の党」に二分されたというメディアもあるが、前衆院議員と参院議員は70人を超えるという。選挙後の参議院の議員数から今後の政治や政策の行方を考えるべきかも知れない。
ただその元籍を観れば野田首相民主党Aに対して、小沢氏を中心とした「民主党Bの衣替え」とみることも可能だ。自分は、この3年3ヶ月の政権運営に対しては民主党Aと民主党Bはほぼ同罪だと考えているが、そう考えない人もいるだろう。
 総選挙のポイントは、国民がこの「民主党Bの衣替え」を信ずるかどうか、総選挙の争点を、「民主党政権の評価と尖閣諸島・沖縄・日本の防衛」と考えるか、「脱原発」と考えるかではないだろうか。
 10日ほど前に柄にもなく総選挙結果の仮説を置いた。次に何が起こるか、日本国民は何を重視しているかを考えるための仮説である。ロンドンのブックメーカーに頼る訳にもいかないので、現時点で改めて480議席の個人的なイメージを置く。
 維新4派は2つが合流し日本維新の会となった。みんなの党とは選挙前には合流できないとみた。減税日本は結局、民主党Bに合流した。みんなの党公明党共産党社民党議席合計を70議席と考えると、残り410議席自民党日本維新の会民主党Aと民主党Bの4グループで争う事となる。自民党の勢いを同じと見て230議席とすると、日本維新の会民主党A、民主党Bが、残り180議席を争うことになる。
 そこから先がわからない。メディアの取り上げ方、取り上げられ方、選挙運動の巧拙もあるだろう。日本維新の会を70議席とおけば、民主党Aと民主党Bで110議席。今後変動する可能性もあるが、民主党Aが70議席で、民主党Bが40議席からのスタートとなるのではないだろうか。そう置いて考えてみると、橋下代表代行が、みんなの党の合流を促して、2番手争いを確実なものにしたかった理由がよくわかるのである。
 結果はどうなるかはわからないが、新たな新党の結成によって、経済再生、外交安全保障に加えて、エネルギー政策の重要性が強調されることだけは間違いがない。