2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

フランス破れたり  今そこにある危機

アンドレ・モロワの書いた「フランス破れたり」という本の翻訳が昭和15年11月に発売され、当時の日本で爆発的に売れたようだ。フランスが第二次大戦の緒戦でフランスが瞬時にドイツ軍に敗れ国家の崩壊した出来事を描き、その背景をフランス人の眼から考察し…

天気晴朗なれども波高し 

台湾国防部は10月20日に発表した09年版「国防報告書」で、中国の新型原子力潜水艦や中距離弾道ミサイルの開発状況(約1300基の配備)などから、中国は既に外国軍を阻止する力に加えて、北東アジアや東南アジアの軍事基地の一部を戦略的に威嚇する能力を備え…

民主党政権の迷走と米国への対応

『第二次世界大戦の起源』を書いた英国の歴史家A・J・Pテイラーは、歴史研究においては道義的観点を排除するべきことを強調した歴史家として知られている。彼が「もっとも恐ろしい政治家はしゃべったことを文字通り実行しようとする、あるいは実行可能である…

政治ノート  漂流、民主独裁制、ヤラセ

総選挙が終わって6週間、政権交代して1ヶ月、これからの日本はどうなるか、誰もはっきりとした見通しを持っていないのではないか。毎日懸案を次々に片付けなければならない民主党指導者にも分からないのかもしれない。政権交代だと騒いでいた割には準備がで…

海上輸送なくして日本も中国も生きられない  抑止力としてのヤジ

「『台湾問題』の先にある危機」(ビジネス社、2001年)という本の中で江畑謙介先生が書かれた論文の表題である。現実は予測通りに悪化していると思うのは私だけではないと思う。 以下、江畑先生の論旨を紹介します。 中国、台湾、日本にとって海上輸送がど…

拙速は巧遅に勝る    防衛大綱先送りと江畑謙介先生ご逝去にあたって

報道によれば、政府は09年度で切れる防衛計画の大綱と5年間の主要装備品の整備内容を定めた現行の次期中期防衛力整備計画(中期防)の策定を2010年末に先送りする方針を固めたという。拙速で不完全なものを作るよりは、先送りしてじっくり検討した方が良い…

アジアの平和と世界の将来人口   (1)

今後の経済社会の見通しの基礎となるのが将来人口の推計だ。経済予測が人々の気分や事件によって上下するのに対し、人口推計は、よほど大きな戦争や疫病の大流行がない限り、ほぼそのとおりに事態は推移する。世界の人口 2010年 69億人 2030年 83億人 2050年…

静岡空港の蹉跌と展望

静岡空港部の廃止・・・責任の胡散霧消 静岡県議会の09年9月の焦点は県庁空港部の廃止条例の是非にあったようだ。既に静岡空港は6月開港し、建設にあたっての当初の懸案が解決したのでを廃止したいという一見もっともな提案だ。同時に役人らしい提案だと思う…