選挙が終わった

1.選挙が終わった
 総選挙で自民党が大勝した。将来に確信があるわけではないが、ようやく迷走・混迷・停滞の時代が終わり、新たな展開が始まると感じている。予想以上に旧民主党への支持は落ち込んだ。野田首相が党首を辞任し、22日には党首選になるという。選挙序盤での予想と対比してみると、民主党70議席▲13、自民党290+4、公明党30+1、日本維新の会45+9、みんなの党15+3、日本未来の党15▲6、その他15+2だった。9月の民主党代表選挙の時に党費をはらった民主党員の投票率が半減していたという。それがそのまま総選挙の結果となった。全体の投票率にも響いた。敵失で勝ったと自認する安倍総裁に笑顔はなく「危機突破内閣」を作ると宣言した。
 自民党公明党は連立政権を組む。与党の衆議院議席合計は325となる。選挙後の参議院議席は18日現在、民主党87、自民党83、公明党19、みんなの党11、未来8、共産6、社民4、みどりの風4、国民新党3、維新3、新党改革2、新党大地2、無所属4、欠員6であり、議決権236の半数は118。自公は102なので過半数には、17議席足りない。
 今後の政権運営は、来年7月の参議院選挙をにらみながら、(1)震災復興の加速(2)デフレ脱却、円高是正による経済成長(3)日米同盟関係の回復(4)教育再生に全力を挙げるという。既にデフレ脱却と金融緩和を期待して、円安が進み、株価が上昇し始めている。19日の朝に日経平均は1万円を超えた。
2.内外の安倍バッシング
 既に就任前からメディアによる安倍バッシングが始まっている。選挙前までの野田政権への厚遇と比較すると悪意があると考えても良いと思う。保守派の識者が言うように、偏向しているのかもしれない。中国の公式見解そっくりだ。中国共産党の機関紙、人民日報は17日、安倍総裁に対し、靖国神社を参拝せず、尖閣諸島の公務員常駐や自衛隊を「国防軍」と位置づける憲法改正は行わないよう求めた。以前だったら日本国内は大騒ぎになったが、中国の性根と正体はほぼ全ての国民が知っているので失笑されている。性根と正体を学んだのは、明らかに民主党政権のお陰であり、学習成果である。学んでいないのは中国産の蜂蜜をもらったジャーナリストと政治家の一部である。
 武藤貞一さんが1972年に予想していた中国共産党の一連の戦略が発動されていることが手にとるようにわかる。そう思って考えると、ここ3年3ヶ月の中で何度か危ない局面があった。それは今も続いている。
 ①尖閣諸島奪取(日本領土にあらずという根回しに取り組む。日本のマスコミを先頭に立てる。)②沖縄の非武装中立地帯化(自衛隊の入島を妨害阻止する。日本の親中派を総動員する。沖縄を日本から切り離し非武装中立地帯にする)③カイライ政権の樹立(自民党に親中政権を作らせ、その後は難題をぶつけて窮地に陥れる。)
 楊潔チ外相は、日中関係について「日本政府による釣魚島国有化などの問題では断固闘争を行う」と述べたという。中国国連代表部は、中国沿岸から200カイリ超の海域の大陸棚延伸を国連大陸棚限界委員会に申請したという。尖閣諸島東方の海底にある沖縄トラフを「中国の大陸棚延伸の終点」と主張したという。申請が認められれば天然資源開発に本腰を入れる可能性が高く日本の強い反発を招くのは必至だそうだ。日本の領空を初侵犯した小型機が所属する国家海洋局は2015年までに航続距離4500キロ以上の固定翼機を増やし、航空パトロール能力を2倍にすると語ったと伝えた。環球時報は14日の社説で、日本の自衛隊機が継続して中国海監機の飛行を遮るなら両国軍の戦闘機が対峙する日が必ず訪れると脅してきた。メディアも含めて国家の方針に忠実で優秀であることを示したいのだろう。馬鹿馬鹿しくて話にならない。
 中国外相は、2001年に50歳で第7代駐米全権大使に任命された。2007年4月に外交部長に就任した。中国共産党での経歴は、第16期中央委員候補、第17期中央委員。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで国際関係学を專攻した楊は、1983年以降、対米外交に携わり米国要人との人脈を形成してきたという。中国政府内では随一の「知米派」とされている。つまり、「気前が良くて付き合うと得する中国」というイメージを米国で広める功績があった人なのだろう。 
 米国人は時々、仲間選びを間違える時があるので要注意である。