2009-01-01から1年間の記事一覧

政治ノート  政権崩壊とブレない対立軸

1.支持率 中国の習近平国家副主席と天皇陛下の会見が、首相や官房長官らの要請で実施されたが異論が相次ぎ、首相の弁明が失笑をかった。宮内庁長官の抗議は、副主席との面談自体よりも幹事長が韓国訪問中に「植民地100周年に際しての天皇陛下ご訪韓を強引…

米中の狭間で  東シナ海と南シナ海(3)

1.普天間問題と東シナ海 2010年の日米安全保障条約改定50周年に向けた「日米同盟の深化」についての協議延期が米側より通告されたと報じられた。普天間問題の混乱は、日米関係全体に深刻な悪影響を及ぼし始めた。コペンハーゲンでの日米首脳会談も断られた…

米中の狭間で 第二次大戦後の中国(2)

第二次大戦後の中国・・・既に2度米国と戦った中国人民軍 (1937年-1945年 日中戦争) 1946-49年 国共内戦。 この間共産党は農村部でのみ活動。毛沢東の理論と指導。地主と富農の土地を奪い再配分。一番小さな単位の自然村、同族部落にまで党幹部が常駐した。…

政治経済ノート   

1.法治国家の終わりと陶片追放時代の始まり 鳩山首相の資金管理団体の偽装献金問題で、東京地検特捜部は首相本人の事情聴取を見送る方針のようだ。首相が偽装に関与した形跡がないとの見方からだ。実態はだいぶ異なると思う。こうした方針は当局から数日前…

米中の狭間で  中国の歴史を学ぶ(1) 

オバマ大統領は今回の中国訪問で突発的なリスクを縮減するために「米国は中国を封じ込めようとは考えていない」というメッセージを中国に伝えたかったと言われている。逆から見れば、中国は「米国に封じ込められている」と感じていると米国では分析している…

国会議員報酬   勝手に事業仕分け

ここ数日、事業仕分けのハイライトがニュースで放映されている。地方交付税15兆幾らが、どうのこうのという仕分け担当の議員さんが登場したが、たしかに1時間で結論が出る問題ではない。なぜ地方交付税が取り上げられたか考えると、その裏側がすこし透けて見…

国家戦略の行方

これから月末まで行政刷新会議で事業仕訳による公開予算削減会議が行われ、3兆円ほど概算予算が刈り込まれる見込みだ。財務省は民主政権のお墨付きをもらい、特別会計に鉈を振るう権限を手に入れた。民主党は財務省の助けを借りて特別会計の無駄を暴いて、…

政治ノート  鳩山退陣と連立組替えの予兆

国会論戦が始まり、「健全」野党としての自民党に「意外に」まともな質問者が多いことがわかり少し安心した。エース級なので当然という考え方もあるが、大臣は役所の作文を読んでいたため、「国益」という言葉が直接肉声で語られることがなかったと思う。マ…

沖縄と普天間問題の経緯

沖縄は、個人的にはこれから勉強したいと考えている柳田国男先生の「海上の道」であり、折口信夫先生の古代研究であり、谷川健一先生のいう日本民俗学の原点です。谷川先生は「沖縄と日本は兄弟である。母を同じくする兄弟である。しかし父がちがう。母とは…

ハブ空港と静岡空港

成田空港B滑走路の供用が始まった。これにより成田は2つの滑走路合わせて発着回数30万回への拡大が可能となった。来年夏には成田新高速鉄道、北千葉道路を完成させアクセスも改善するとのことだ。羽田は「まずは羽田をハブ空港に」という前原大臣発言で話…

「米国大統領の来日中止」と対等な日米関係

沖縄県知事は普天間基地の移転に関して、沖縄の意向は「辺野古への移転やむなし」と決まっているのに、政府が方針を決めないので動けないという。首相は、来年の市長選挙、県知事選挙、さらに言えば参議院選挙の結果を見て決めたいという。もし選挙で移転容…

フランス破れたり  今そこにある危機

アンドレ・モロワの書いた「フランス破れたり」という本の翻訳が昭和15年11月に発売され、当時の日本で爆発的に売れたようだ。フランスが第二次大戦の緒戦でフランスが瞬時にドイツ軍に敗れ国家の崩壊した出来事を描き、その背景をフランス人の眼から考察し…

天気晴朗なれども波高し 

台湾国防部は10月20日に発表した09年版「国防報告書」で、中国の新型原子力潜水艦や中距離弾道ミサイルの開発状況(約1300基の配備)などから、中国は既に外国軍を阻止する力に加えて、北東アジアや東南アジアの軍事基地の一部を戦略的に威嚇する能力を備え…

民主党政権の迷走と米国への対応

『第二次世界大戦の起源』を書いた英国の歴史家A・J・Pテイラーは、歴史研究においては道義的観点を排除するべきことを強調した歴史家として知られている。彼が「もっとも恐ろしい政治家はしゃべったことを文字通り実行しようとする、あるいは実行可能である…

政治ノート  漂流、民主独裁制、ヤラセ

総選挙が終わって6週間、政権交代して1ヶ月、これからの日本はどうなるか、誰もはっきりとした見通しを持っていないのではないか。毎日懸案を次々に片付けなければならない民主党指導者にも分からないのかもしれない。政権交代だと騒いでいた割には準備がで…

海上輸送なくして日本も中国も生きられない  抑止力としてのヤジ

「『台湾問題』の先にある危機」(ビジネス社、2001年)という本の中で江畑謙介先生が書かれた論文の表題である。現実は予測通りに悪化していると思うのは私だけではないと思う。 以下、江畑先生の論旨を紹介します。 中国、台湾、日本にとって海上輸送がど…

拙速は巧遅に勝る    防衛大綱先送りと江畑謙介先生ご逝去にあたって

報道によれば、政府は09年度で切れる防衛計画の大綱と5年間の主要装備品の整備内容を定めた現行の次期中期防衛力整備計画(中期防)の策定を2010年末に先送りする方針を固めたという。拙速で不完全なものを作るよりは、先送りしてじっくり検討した方が良い…

アジアの平和と世界の将来人口   (1)

今後の経済社会の見通しの基礎となるのが将来人口の推計だ。経済予測が人々の気分や事件によって上下するのに対し、人口推計は、よほど大きな戦争や疫病の大流行がない限り、ほぼそのとおりに事態は推移する。世界の人口 2010年 69億人 2030年 83億人 2050年…

静岡空港の蹉跌と展望

静岡空港部の廃止・・・責任の胡散霧消 静岡県議会の09年9月の焦点は県庁空港部の廃止条例の是非にあったようだ。既に静岡空港は6月開港し、建設にあたっての当初の懸案が解決したのでを廃止したいという一見もっともな提案だ。同時に役人らしい提案だと思う…

 「新・陰陽五行」研究の必要性

今後の温暖化の状況に決定な影響を及ぼす国は、二酸化炭素排出量の20%前後を占める中国、米国である。さらに排出量が経済発展と人口にリンクするという意味でインド、ブラジル等の新興国である。現在、日本の排出量シェアは5%弱、鳩山首相の主張する半分を達…

新・陰陽五行の政治経済学

「諸外国との合意が成立するならば2020年までに25%二酸化炭素削減する」との鳩山首相の国連総会での演説の報道とそれに対するコメンテーターの言葉を聞きながら、このあとの世界はどう展開していくのかという素朴な疑問をもって過ごしているうちに、奇異な言…

日本航空と事業の定義

往年の超人気企業であった日本航空の再建が問題になっている。労働組合の数が多いとかいろいろな理由が挙げられているが、基本的な原因は、人件費の国際水準の推移とその対応ということに尽きるのではないか。 かつて日本の賃金水準は欧米の国際的な水準に対…

政治ノート  民主独裁制への誘惑   

1.民主独裁制 政権交代となった総選挙から3週間を経て、良い意味でも悪い意味でも日本が動き出した気がする。民主党の中でも応援したい大臣とそうでない大臣、議員が少し見えてきた。と同時にこの政権の対抗軸は誰かが非常に重要だと考えだした。それが「…

「二酸化炭素から世界が見える」  緊急出版企画の検討

以下、企画書ではありますが、採算計算がありません。出版部数、マーケティング、気にしておりません。諸賢の御意見を乞う。 ①想定読者:民主党二酸化炭素25%削減案に賛成な人と反対な人。幼稚園生から大人まで。 ②目的:日本の将来に及ぼす影響が大きいため…

マニフェストが万能ならば、議員も議会もいらない。  

自民党が酷いので民主党政権ができたと思っていたが、テレビに出てくる民主党の議員は、マニフェストに書いてあるのでとか、決まったことだと言い放つ人が多いので、ここ2週間本当に腹が立った。もしマニフェストが万能で、書いてあることが最終決定ならば、…

魚の歳時記  マグロとボラと35度   

報道によれば、欧州委員会は9月9日、激減している大西洋と地中海のクロマグロの国際取引をワシントン条約で禁止するというモナコの提案を支持すると発表しました。来年3月にカタールで開かれるワシントン条約の締約国会議で、投票国の3分の2の賛成が得ら…

二酸化炭素から世界が見える  王様は裸でした

連立政権が成立したこともあって、民主党の議員がいろいろなインタビューに出てきた。環境政策に詳しいという福山という議員の発言に驚いた。90年比CO2▲25%(05年比▲30%)は、何かこれといった具体策があるわけではなく、世界で協調して削減すべき数字であり…

7つのコンテンツと戦略空間

「物語コンテンツ」なんてあまり聞いたことがない言葉をいきなり出したので現時点での考え方を補足します。実はコンテンツを7つに分けた方が分析しやすいのではないかと思っています。**********************************…

物語コンテンツの面白さ

映画館のない街に住んでいると、衛星放送が本当に楽しみだ。テレビは在京キー局の放送を受信できるものの、同じテーマを扱ったドラマでも米国と日本ではどうしてこんなに違うのかとつい比較してしまう。シナリオの幅と奥行きが根本的に違うような気がする。 …

それでも道路がほしい本当の理由     

9月に入ってから、民主党の代議士をテレビで見るたびに腹が立って、テレビを消すことが多くなった。どちらの党を応援してきたわけではない。民主党はマニフェスト、マニフェストというが、全部実行できるわけではないものをマニフェストと呼ぶこと自体が非常…