2010-01-01から1年間の記事一覧

バラマキよりも防衛力の充実を  

「弱体な国家は常に優柔不断である。そして決断に手間どることは、常に有害である。決断力に欠ける人々が、いかに真面目に協議しようとも、そこからでてくる結論は常にあいまいで、それゆえ常に役立たない。」というマキアべッリの言葉を思い浮かべながらニ…

このままでは国がもたない  総選挙への道 

12月3日で臨時国会が閉会した。補正予算は韓半島の武力衝突事件もあって成立したものの、多くのことが議論されず個人的にはやり場のない怒りだけが残った。どうもそれは私だけではないらしい。週刊誌や新聞の小さな記事にはそんなことが数多く報じられるよう…

政治ノート 「あかんたれ」解散の風

国会軽視発言の責任をとって法務大臣がやめ、官房長官が兼務することとなった。しかしこの官房長官と国土交通大臣に対しても問責決議案が提出されることとなる見通しだ。尖閣諸島事件の処理に関して、国益を損ねたこと、国民の知る権利を不当に制限したこと…

政治の崩壊 責任のとり方、とらせ方

尖閣諸島事件は予想外の展開を見せ始めた。ビデオを投稿したとして自ら出頭した海上保安官のメモを見ればきちんとした判断力のある人だと思われる。「かくすれば かくなることは 知りながら やむにやまれぬ」行動であったと考える。内部告発であることを考え…

事実を明らかにしない方が変だ

中国の石油会社の海洋調査船が、日本の研究機関が地下資源を見つけた奄美大島の西の海底を勝手に調査していた。石油会社は中国軍の利権だとされているので、民間なのか軍なのかは定かではない。APECの前に何もできないだろうという判断なのだろう。 民主党政…

造反有理 公益無罪

尖閣諸島事件のビデオがyoutubeへアップされるという内部告発でマスコミは大騒ぎだ。中国漁船が意図的に巡視船に体当たりしている映像が確認された。撮影されたものの1/3に当たる。政府にとって救いだったのは、漁船員たちが逮捕されたときの映像が依然と…

偸梁換柱の計 がんばれ前原     

ハノイで予定されていた日中首脳会談が前原外務大臣の態度を理由に突然キャンセルされた。これには5つの要因があると考えられる。①尖閣諸島について日中間の密約があると雑誌アエラが報じたものがネットで中国に流れ、政府は日本に甘すぎると考える普通の人…

マキアヴェッリの忠告

思わぬ本の中にマキアヴェッリの名前を見つけたこともあって、塩野七生さんが訳された彼の語録(新潮文庫)を読んでいる。彼は1469年に大激動期のフィレンツェに生まれた外交官だった。「政治は宗教と道徳から離して考えるべき」という現実主義的な政治論を唱…

デモ、事業仕分け、沖縄、テロ 

1.デモ 10月16日、日本と中国でデモがあった。日本のデモは、「いわゆる右翼」のデモでも、興奮している人たちのデモではなかった。動画で確認すると、日本で最もデモをやりそうにない老若男女の人たちが立ち上がったという意味で自分には驚きだった。一方…

中国の大戦略と日本

日本の防衛相が、ASEAN国防相会議でベトナム、インドネシア、オーストラリア、タイ、シンガポールの国防相と個別に会談し、尖閣諸島事件について説明したが、慎重な対応を求める発言が相次いだという。日本の政治家は小中学校の時で取っ組合いのケンカ…

万博後の中国経済に異変はあるか

残っていたフジタの社員1名が解放され日本に帰ってきた。中国は国際交渉で揉めると、中国国内にいる誰かを拘束することが続いている。豪州の資源会社、フランスの重工会社ともそんな事件があった。かつて台湾の企業の社長のご家族にそんなことがあったと聞く…

中国の軍事力と4隻の空母

1.問題の中心 尖閣諸島事件に抗議する東京でのデモの参加者は2700名にのぼった。ごく普通の人々が中国というよりは日本政府に怒っている。巡視艇の傷跡を見れば、どのようにぶつけられたか想像できる。中国に着いた漁船には石垣島の時にはなかった穴があけ…

尖閣、沖縄そして日本 (2) 

1920年12月、柳田国男は、豊後の臼杵を出発し日向を抜けて佐多岬で年をこし、正月3日に沖縄に向かい、5日に那覇に着いた。そこで後に沖縄学の祖となる伊波普猷(いはふゆう)と会う。それから八重山まで足を伸ばし、1月21日に宮古島、25日に石垣島に着いた。…

尖閣、沖縄そして日本 (1) 

この夏、深夜の再放送でみたのは、佐藤首相の密使として沖縄返還交渉にあたった若泉敬さんの物語だった。佐藤政権は「核抜き本土並み」での沖縄返還を公約として掲げ、米国ニクソン政権と交渉した。万一の際の沖縄への核兵器の再持ち込みを了解するとの密約…

人材の育成と日本の将来

外交に携わる人の資質やリーダーシップを育てるためには、人材発掘育成方法を変える必要があるのではないかという議論がある。日本全体が国際化しつつあるので、程度の差はあっても、一般企業にも通じる話だ。まず、小中学校段階から意識的にディベート能力…

尖閣諸島事件の背景 中国から考えてみる       

領海侵犯をした中国人船長が那覇地方検察庁によって処分保留のまま釈放となった。地検の独自判断だとの官房長官の説明を信じる人はおらず、事実上の指揮権発動と考えられる。この数日間で、中国が何を考えているか、中国リスクとは何なのかを、日本国民のほ…

兵法三十六計を学ぶ 趁火打劫の計

中国の兵法書は戦わずして勝つことを理想としている。武力を使えば敵も味方も損害は免れない。だから外交交渉によって相手の意図を封じ込める。謀略によって相手の力をそぎ内部崩壊に導くという。兵法三十六計は作者、成立年も不明だが、柔軟で無理がない現…

傍目八目政治短観

前原外相の誕生により心配されていた日本外交のブレはようやく収束する可能性が出てきた。これに知事出身の片山総務大臣が加わったことで、内政外交の柱ができ、そこだけみれば政権の安定感はぐっと増したと考える。 今回の中国漁船団の尖閣諸島への進出は、…

今後の政治経済政策論の焦点(試論)

菅首相が民主党の代表選で再選された。国会議員票はほぼ半分に割れた。ポイントでは大差があるものの地方議員、党員票の実数では6対4だったので、厳しい政治運営を迫られている。「厳しい時こそ知恵と力を出せ」というのが日本のやり方であり、それには与党…

領土保全 もう一つのINTEGRITY

民主党代表選は終盤にきて現首相の優勢が伝えられているが、その行方は定かでない。この選挙に関する報道で最も強烈だったのは、テレビカメラの前で民主党の新人代議士が「(小沢氏が勝つことは)裸の王様に、魔法の杖を渡すようなもの」と何気なく言ったこと…

就職活動のための読書案内

大学4年の10月に解禁となり11月に内定式を迎えるといった昔の就職試験とは異なり、現在の学生の就職活動は3年生の秋から1年かけて行われる。まず秋に就職セミナーを受けて就職活動の準備に入る。11月になると経団連に属さない企業の採用試験が始まり、2月か…

資源研究開発ファンドとレアアース

尖閣列島で中国の漁船が操業し日本の巡視船に船をぶつけ船長が逮捕された。中国はこの地域で海底資源が発見されて以来、「尖閣列島も沖縄も中国の領土だ」と主張していることに加え、南シナ海における東南アジア各国との領土紛争も、この漁民の操業が発端と…

ポーツマスへの道 1905年9月5日

外交官の勉強はまず英文法の勉強にあると教わったのは、社会人になって、だいぶたった頃だった。定冠詞がつくかつかないか、単数なのか複数なのかによって外交文書の意味が全く変わってしまうからだ。歴史についての知識も、現在日々起きている事件の背景を…

「円高・株安」を乗り越えて  

独自の視点を持つ歴史家の鳥居民さんは、民主党の小沢氏を日清戦争の時の伊藤博文内閣の内閣書記官長だった伊東巳代治氏に似ていると評した。その見識、腕力、胆力は飛び切りだったが、この闘争心にあふれた政治家は同輩や部下が自分と違う考えを持つことを…

オキュパイド・ジャパンの記憶

米軍戦闘部隊がイラクから撤退した。2003年に攻め込み2010年に撤退となった。あとはイラクの治安部隊の訓練、対テロ戦支援、米国国民の安全確保などを目的に5-6万人の部隊が残るが、2011年末までに完全に撤退することが合意されている。 少し前に、ホルムズ…

亡き師、亡き友を思う

8月になってパソコンの調子が悪く結局再インストールに追い込まれた。今年の終戦記念日も過ぎた。お盆の時期とも重なって、この時期なくなった人のことがなぜか思い出されるようになった。 政府はやはり日韓併合に関する首相談話を出し、朝鮮王朝に関する宮…

日本外交はなぜ朝鮮半島に弱いのか

猛暑が続いている。民主党は参院選の思わぬ敗北で未だ呆然としているように見える。次の政治をどうするかの算段が立っていないようだ。誰が政権をとっても、さらに仮に総選挙が行われ再び政権交代が起きても、数年間はネジレ状態が続く。事実上の大連立が進…

ノーサイドの後で 円高が促す事実上の大連立 

民主党44、自民党51、公明9、みんなの党10、たちあがれ1、改革1、共産3、社民2と参議院選挙の結果がでた。民主党内部はこれからしばらくの間、ガタガタすることだけは間違いないが、日本の政治全体をみれば、大筋として対米協調、消費税論議を進めるという方…

政治ノート 悪夢のフラッシュバック 

国民はサッカーの日本チームを見て一服の清涼感を得た。日本ならでは戦い方があり、負けたところで「負けっぷりに男らしさが出る」ことを久しぶりに思い出した。 一方、日本ではここ数カ月のことを思い出させる事件と出来事が多発している。選挙自体も、菅首…

政治ノート 米百俵を何に使うか 

「国会は会期を延長し衆参同日選挙となる」との個人的な予測は外れた。会期延長は考えなかったようだが、6月14日頃までは乾坤一擲の同日選挙が検討されたと事情通が報じているので、それほど的外れでもなかったようだ。政府は、鳩山、小沢退陣を機に「親米、…