敗れた我らが誇り

加瀬英明先生の2013年2月15日のコラム「戦時国際法と戦争犯罪」には本当に感動した。 http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi 以下に、その要約を自分なリにまとめてみた。 ミズーリ号で、わが日本の全権は誇りを持って降伏文書に調印した。日本は…

東アジア反日トライアングルとの戦い(まとめ)

「東アジア「反日」トライアングル」といういう本は2005年に古田博司先生が文春新書から出された本の題名だ。表題にその刺激的な言葉を使ったが、内容は北朝鮮、中国、韓国で今起きていることと報じられていることを自分なりにまとめたものであり、古田先生…

内外情勢 2013年2月

1.北の核実験 北朝鮮が2月12日に3回目の地下核実験を行なった。「ウラン濃縮型なのか、小型化に成功したのか」を空中から把握するのは原理的には難しそうだ。核実験場では、2つの坑道で実験準備が行われていたので、追加的な核実験実施の可能性があるとい…

天下の暴論 2013年2月

(1)PM2.5の責任 「都知事よ、あなたは偉かった」 (2)景気とは無関係な人達 通貨の安定には軍備の拡張も必要 (3)「ブーメラン効果」と真実の「正史」の編纂 (4)「準戦時」なのか、もう「戦時」なのか (5)愚かな女性キャスターと「ハンサム・ウーマン」の伝統(…

盧溝橋事件という静かな戒め

1.毅然たる冷静さ 自衛隊のヘリコプターや艦船への火器管制レーダーの照射事件を日本政府が公表してから、尖閣諸島の周辺から中国の公船がいなくなったという。国際的な評判を気にしたのだという。安倍政権の「毅然たる冷静さ」が際立っている。 多くの人…

だいぶ気が早い夏の参議院選挙の見方 2013年2月

次の参議院選挙で「維新の会+みんなの党」連合の合流作業が進んでいるという。国会内で会談し、日銀法改正案や「歳入庁」設置法案などの共同提案を目指すことで一致したという。今後は隔週で定例化することでも合意した。1月30日には両党の政調会長会談で旧…

見事な沖縄訪問

2月2日、安倍首相は首相就任後には初めて沖縄を訪問し仲井真知事と面談した。メディアの論調はさまざまだが、見事な動き方だったのではないかと思われる。内閣成立後、すぐ年末に福島に行き、年初に伊勢に行き、外遊から帰って、予算編成をこなした上で、次…

沖縄ノート 空港、防衛、産業振興 

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け、防衛省が実施していた環境影響評価に関する評価書の公告・縦覧が1月29日に終了した。これにより辺野古のアセス手続きが完了した。次は、仲井真知事に対し、政府が埋め立て承認申請をする時期が焦点となるとい…

幻のジャカルタ演説を読んで

所信表明演説が行なわれた。内容はこの1ヶ月に内閣が固めてきた経済中心の演説だった。 思えば、この政権は、多くの批判をされながら、3本の矢による経済の強化を訴えてきた。日銀はようやく金融緩和のスタンスに舵をきった。円は値戻しし、久方ぶりに1ドル…

尖閣諸島侵略の目的はアジアの覇権

1.中国の外交攻勢 公明党の山口那津男代表は習近平総書記に対し安倍首相の親書をようやく手渡せ、日中首脳会談の早期開催を働き掛けた。習近平氏のコメントを読むと早く中国に挨拶に来いといっているようだ。東京の中国大使館は、鳩山元首相に続いて、引退…

天下の暴論 2013年1月

1.大阪市立桜宮高校の改革 橋下徹大阪市長が、体罰で自殺者の出た市立高校の改革に取り組んでいる。賛否様々だが、権限がない中で、よくやっているのではないか。彼の発言がなければ事なかれ主義が前面に出て体質が変わらなかったのではないか。教育委員会…

ピンピンコロリ党に清き1票を

自分は、終末期の延命治療などやってほしくない。せめて死に方くらい、自分の思い通りにという「ピンピンコロリ党」が自論だ。若者に勧めるわけではない。自分が70歳を超えたら周りの人に意思表示をし、意思表示のためのそうした意思を示すアクセサリーのよ…

この1年の困難 (2)大人の対応 外交安全保障

(1)中国の負の遺産と歴史の見直し 1月4日に鳥居民さんが亡くなられた。尊敬すべき歴史家だった。2004年に日中衝突を予見し、その原因は、中国共産党の一党独裁を守るための江沢民時代の「愛国主義教育実施綱要」にあり、と見抜いたことでも知られている。中…

中国の大戦略(再掲)

現在、多くの識者が中国の大戦略について論じているが、やはり黒野耐閣下が「戦争学概論」(05年講談社)で示された中国の大戦略が最も優れた見方の一つだと思えてならない。以下に再掲する。 (1)世界最強の覇権国である米国が、日本を基地として東アジアに進…

大赤字の静岡空港の「拡大」均衡策

静岡空港の2011年度の収支が、企業会計と同じ方法で算出され、過去最大の17億円の赤字となったと昨年秋に報道された。空港の赤字は2009年6月の開港以来3年連続の大赤字だという。収益の大半を占める着陸料は93百万円で、前年度190百万円の半分以下となった…

コミュニケーション能力についての備忘録

1.就職活動とコミュニケーション能力 やや旧聞になるが、昨年7月に発表された経団連アンケートによると、新卒の採用選考時に企業がもっとも重視していた能力は「コミュニケーション能力」だという。9年連続で第1位だそうだ。これに「主体性」と「チャレ…

動き出した対ロシア外交

1.動き出した対ロシア外交 安倍首相は昨年末、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、北方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発化させることで一致したという。2月に森喜朗元首相が安倍首相の特使として2月にロシアを訪問し、プーチン大統領と…

この1年の困難 (1)中国ジニ係数0.61の衝撃

アジアにはわかっているだけで大国が介在する武力衝突が起きてもおかしくない所が5つあると書いたのはビル・エモットだった。それは中印国境とチベット、朝鮮半島、東シナ海と尖閣諸島、台湾、パキスタンだという。(「アジア三国志」日本経済新聞社、2008年)…

2013年 年頭

2013年が始った。多くの人々に幸多かれ願う。迷走・混迷・停滞の3年3ヶ月が終わり、安倍政権が誕生した。政治に詳しい人ほどそれは奇跡的だという。大手のメディアは既に安倍タタキを始めている。そうした情報操作に動じない国民に、日本再生への一筋の希望…

エネルギーを中心とした内外情勢

1.安倍内閣の始動 2.麻生財務大臣の為替レートの見方 3.北極海航路とロシア 4.発送電分離の是非 5.南アフリカの石炭液化技術 6.中国の水増しと水不足 7.米国シェールガス革命と雇用 1.安倍内閣の始動 今年の冬は思いのほか寒くなった。その…

復興と強靭化へのリーダーシップ

安倍内閣がスタートした。重厚な布陣だ。「全閣僚が経済再生、復興、危機管理に心がけよ」との指示がでているという。重要な課題は複数の大臣が担当するように組み立てられているようだ。チームとしての連携重視ということだろう。 1.最初にやるべきことは…

TPPとグローバル・スタンダードの正体 

数日前に、経済学者で国内では高名な大学教授がTPPへ参加すべきと論じている新聞への寄稿を読んだ。ただその理由が実にお粗末だった。自由貿易を支持していること、韓国がそれで上手くいっていることを理由に挙げていた。正気だろうか。 今月米国のある投資…

南北朝鮮のこと 正しい歴史認識

1.韓国の大統領選挙が終わった。 朴槿恵氏が韓国大統領に選ばれた。最終的な候補者討論会で言い負かされて、保守派が国家存続の危機を感じて、投票率を上げたという見方がある。日本のメディアは経済の格差是正が韓国民の関心事だったと報じていた。しかし…

選挙が終わった

1.選挙が終わった 総選挙で自民党が大勝した。将来に確信があるわけではないが、ようやく迷走・混迷・停滞の時代が終わり、新たな展開が始まると感じている。予想以上に旧民主党への支持は落ち込んだ。野田首相が党首を辞任し、22日には党首選になるという…

「ヨーコ物語」について

「ヨーコ物語」というのは「So Far from the Bamboo Grove」という原題で日系米国人ヨーコ・カワシマ・ワトキンス が1986年出版した自伝的小説だ。日本では翻訳されていないので知る人は少ない。戦争の悲惨さを訴える資料として、米国では優良図書に選ばれ中…

離着陸訓練 もう一つの基地問題 

岩国錦帯橋空港が開港した。48年ぶりの民間航空機による定期便の復活だという。まずは関係者にお慶びを申し上げたい。基地移設というと普天間や辺野古が思い出されるが、岩国も、空港の沖合い移設や空母艦載機の受入れでゆれてきた街だからである。 基地移設…

投票日まで、あと1週間

複数の報道機関による選挙序盤の見通しが6日にそれぞれ公表された。有権者の半分は、まだ投票先を決めてはいない段階ながら、自民党の優勢を伝えている。自民、公明は選挙運動の引き締めに入り、他の党は最有力の自民党の批判を始めた。民主党70議席の数字…

政治経済短観 12月5日

(1)日本の総選挙が始まった 衆議院選挙が4日公示された。16日が投票日となる。全国300の小選挙区と比例代表11ブロック(180議席)計480議席を争う。新党が相次ぎ計12党が乱立していると報じているが、政界再編の過程だと考えられる。大事なことは誰も口にし…

失敗百選を読みながら 経験の伝達

中央高速の笹子トンネルで崩落事故が起こり、何名か亡くなられている。天井コンクリートパネルの中央取付金具の不備ではないかといわれている。まだ真偽はわからないが、メンテナンスのための打音テストをやっていなかったらしい。作られてから35年経ってい…

福建省の戦闘機と北のミサイル

中国の新しい空母は「張子の虎」だと10月に書いた。その時は、実際には空母から離陸する戦闘機の写真はなかった。甲板の上に並べられた戦闘機の写真もなかった。超低空で飛んでいる姿が空母から写されて公開されただけだったため、この空母は最終的にはヘリ…