敗れた我らが誇り

 加瀬英明先生の2013年2月15日のコラム「戦時国際法戦争犯罪」には本当に感動した。
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi
以下に、その要約を自分なリにまとめてみた。
 ミズーリ号で、わが日本の全権は誇りを持って降伏文書に調印した。日本は国としては先の大戦で敗れたが、アジアの諸民族が解放された。 
 その結果、アフリカに次々と新しい独立国が誕生した。数百年にもわたって続いた西洋の苛酷だった植民地支配に日本が終止符を打った。
 アフリカの外交官が、ワシントンやニューヨークの国連本部にあらわれると、米国では、1950年代末にマーチン・ルーサー・キング牧師が率いる公民権運動が始まった。これが1960年代になって実を結んだ。米国の最後の3つの州で、白人と黒人が性的な関係を持つ、あるいは結婚することが犯罪とされなくなったのは、1967年のことだった。日本は日露戦争を勝ち抜き、多くの犠牲をはらって先の大戦を戦って、人種平等の世界を作ったと私は信じている。
 ルーズベルト政権は、真珠湾攻撃の1年半前から国務省に極秘の研究班を設けて、日本と戦って日本を屈伏させたあとで、日本をどのように処理すべきか研究を始めていた。アメリカは開戦前に日本と戦うことを決めていた。ルーズベルトは、蒋介石政権から巨額のお金をもらっていた。このやり方は、今の中国と同じだ。対米工作のために、厖大な金額の「バラマキ」をしている。
 いまでも白人たちが私達日本に対して抱いている憎しみは、たいへんに強いものがある。なぜかというと、彼ら白人たちが数世紀にわたってこの地球を支配していた体制を破壊したのが日本だからだ。アメリカのエリートたちは、いまでも執拗にその憎しみを潜在的に抱いている人たちが多い。そういう彼らをうまく操りながら、日本の安全と繁栄をはからななければならない。
 日本はポツダム宣言を受諾して条件付き降伏をしたが、その条件は守られなかった。東京裁判戦争犯罪を裁くはずのものだったが、日本がはたらいたとされる悪事のみが裁かれて、連合国の戦争犯罪は不問に付された。7人の国家指導者が、絞首刑に処せられるというリンチが行われた。国際法を学ぶ際に、本当の歴史を知らずに、小さな木ばかり見ていると、肝心の森をみることができない。
 この要約は自分の作った拙いものだが、加瀬先生の本文は、さりげなさの中に国を思う至情があり、私には、今週末に日米首脳会談に臨む安倍首相への応援歌であるかのように読めた。加瀬先生のお父上は、ミズーリ号の重光全権をサポートされた加瀬俊一大使だった。