2013年 年頭

 2013年が始った。多くの人々に幸多かれ願う。迷走・混迷・停滞の3年3ヶ月が終わり、安倍政権が誕生した。政治に詳しい人ほどそれは奇跡的だという。大手のメディアは既に安倍タタキを始めている。そうした情報操作に動じない国民に、日本再生への一筋の希望を感じている。外から見ているだけでも、既に新内閣は全速力で動き出している。ただ、わが国の行く手には大きな困難が予想される。国家の興廃がかかった1年となるのかもしれない。年頭に当たり、国民の一人として感じていることを記し2013年のスタートとしたい。 
 2013年の7月に参議院選挙がある。新政権はそれまでは経済政策中心でいくというのが、大方の方針だと言われている。果たしてそうか。予算のシーズンでもあり経済を議論の中心におくことに異論はないが、解決すべき問題は、経済の枠組みだけに入りきらないのではないか。法案はともかくとして、参議院選挙の争点や論点が、それまでの国会の議論と無関係に設定されるとは思えない。
 民主党政権は、官僚機構を動かすことに夢中で国会が嫌いだった。いつも新たな政策の発表は、国際会議の後で唐突に発表されることが多かった。そして何も説明なく結局は何も決まらず、国政は停滞した。きちんとした議論をして国政の論点を明確にすることも国会の役割だと考えても良いのではないだろうか。
 外政においては、対米関係の建て直しが、最大の課題だ。改善のポイントは2つあり、1つは安全保障問題であり、2つ目は経済の相互の協力のあり方の問題である。米国経済の復活にどう貢献するのかという視点で考えれば、TPPだけが経済のテーマとなるわけではない。尖閣諸島の問題で、日米安保の範囲内にある領土領海であることは米国が認知したが、決して武力行使を望んでいるわけではない。イラク、アフガンと続いた出兵を終える所に来ているからだ。尖閣諸島・沖縄はまず自分たちで守らなければならない。
 続いてアジア諸国との協調とロシアとの関係改善が進むのではないだろうか。麻生副総理は正月早々にミャンマーに行かれた。5000億円のうち3000億円の債権放棄と500億円の新たな円借款供与を決めた。日系企業が進出する工業団地などのインフラ整備にも使われるのだろう。ミャンマーとの交流にかねてより尽力されていた日本財団の笹川会長のご努力もあるのだろう。中国からの移転先を探している企業にとっては一つの朗報だろう。ミャンマーの中国人グループが麻生副総理の日本人墓地参拝に抗議したという。不思議なことだ。「日本が東南アジア諸国の人々に大きな災難をもたらした歴史を、認めないことに抗議したい。」と中国の新聞は報じているという。ミャンマーと日本の友好の歴史を知っているので恐れているのだろう。日本の誤りは、欧米の批判を恐れてここ20年ほどミャンマー支援を継続できなかったことだ。その間に中国の進出を許してしまった。
 韓国の高等裁判所靖国神社の放火犯の中国人を政治犯として、引渡し条約のある日本に引き渡さないという変な決定をしたという。そうであるならば、反日を叫べば刑法犯も無罪となるような国からは、ビザ無し入国を認めるのはやめるべきだろう。少なくとも、日本に5万人来ているという風俗関連の女性の不法労働の取り締まりは、きっちりとやるべきだろう。日本各地の寺から盗まれている仏像が韓国で堂々と取引されていて犯人が捕まえられることはないという。あまりにも酷い話で無防備ではないか。額賀さんが日韓議連の議員外交で安倍親書をもって韓国の次期大統領を訪問したときに、青瓦台の横槍でVIP用通路の使用が認められず反日団体の歓迎を受けたという。底意地の悪さは天下一品だ。
 米国の韓国系住民がまた慰安婦問題を騒いでいる。河野談話がその唯一の根拠となっている。河野談話については、もっと早く内閣の考え方を発表すべきだと思えてならない。米国や豪州で、韓国人売春婦が問題となるたびに、事実とは無関係に、日本人の慰安婦問題が大きく宣伝される力学が働いている。ちょうど、韓国人のサッカー選手がオリンピックで「独島」についての政治アピールを掲げ非難されると、攻撃は最大の防御と言わんばかりに、その秋から日章旗が問題だと騒ぎ出したのと同じパターンだ。
 日本のテレビ、新聞のコマーシャルは、消費者金融かパチンコ関連企業の宣伝ばかりで、この問題を全く取り上げない。そもそも公営ギャンブル以外は禁止されている日本がパチンコの営業を認めていること自体、全く説明が付かない。
 安倍新内閣では2011年8月に鬱陵島の独島博物館を視察するために韓国を訪問して空港でテロリストと同じ理由で入国を拒否された3名の国会議員が政府に入った。国会議員の中でも特に期待されている人たちなので当然なのだが韓国は疑心暗鬼のようだ。そんな思惑など気にすることなく是々非々主義で思ったことを実現していただきたいと願っている。
 安倍総理の最初の訪問先には米国が選ばれたという。インドネシアやインドはどうかという人もいる。全体としては、「自由と繁栄の弧」を作るためにどうするのかが問われている。普遍的価値である、自由、民主主義、基本的人権、法の支配、市場経済といった価値観を持つ国々や人々との連携・協調を進め、支援する外交を重視すべきだろう。
 当面の課題は、復興、経済再生、危機管理だという。それに異論はない。中国の侵略が始まったこと、南北朝鮮が中国の影響下にあることを前提に、海上保安庁自衛隊を早急に強化し、様々な防衛シナリオに具体的に対応を考え、外交安全保障政策を組み立てなおし、内政の規律を高めていくことが必要ではないだろうか。