2014年後半の見通しと覚悟

4月の半ばから、しばらくブログを書くのがなんとなく億劫になっていた。外国のこととはいえ、何も手を打たずに、300人以上の方が亡くなる韓国珍島でのフェリーの痛ましい沈没事故の報道を延々とテレビ・ニュースで見させられたこともある。報道された事実を…

ウクライナの混迷が長期化することの意味

昨年の秋の時点で、EUはウクライナのような貧乏な国が構成国に増えるのを望んでなかったと想像される。歴史的な経緯からロシアが怒るのも理解していた。ウクライナのヤヌコビッチ前大統領は、EUと交渉してみてもお金がでないのに呆れていた。一方、ロシアの…

春乏

中国の大手不動産会社が破綻した。これを中国バブルの終わりの始まりとみる人がいる。中国の大気汚染はますますひどく、大気汚染があるために中国で働きたくないという人が増えているようだ。海を隔てた日本にも、大気汚染の影響が出ている。 内モンゴルの石…

正義のための戦争をしてはならない

3月19日に硫黄島で69年前に敵味方に分かれて死闘を繰り広げた日本とアメリカが、合同で戦没者の慰霊祭を行ったという。日本軍の死傷者23千人、米軍の死傷者29千人。日本側のほうが少ないようだが、日本側は22千人、米側は7千人が亡くなっている。本年から遺…

古典はその国の言葉で読む  井筒先生ノート

井筒俊彦(1914-1993年)先生は、ギリシャ語、アラビア語、ヘブライ語、ロシア語など20か国語を習得・研究し、禅、密教、ヒンドゥー教、道教、儒教、ギリシア哲学、ユダヤ教、スコラ哲学などを横断する独自の哲学の構築を試みた世界的な大学者である。今回はア…

タタール、ロシア、イスラーム、そして日本

1.タタール、ロシア、イスラーム 司馬遼太郎さん(1923年‐1996年)と井筒俊彦先生(1914年-1993年)の対談を読んでいたら、井筒先生が大学の助手をしているときに、最近クリミヤのニュースに出てくるタタール人から、アラビヤ語とイスラム教を習ったという話…

グローバルリーダーの育成とグローバル教育  

1.グローバルリーダーの育成 2.企業の人事部門と大学教育 3.グローバル教育 1.グローバルリーダーの育成 マッキンゼーの人材育成、採用マネージャーだった伊賀泰代さんの「採用基準」(ダイヤモンド社、2012年)という本の表紙には「地頭よりも論理…

台湾の将来は台湾が決める

米国で国家安全保障を担当するライス大統領補佐官は11日、米国の在外公館長らを集めた会議で「ウクライナ情勢は米国の指導力に関する基本的な事実を証明している。・・・米国の経済力や軍事力、同盟国のネットワークは、どの国も対抗できない。・・・真の…

アジアからの米軍の撤退

1.ウクライナの石油 3月14日の金曜日に世界的に株価が下がった。クリミア半島での住民投票をめぐる情勢の緊迫化と、中国が景気減速下にもかかわらず民間債券のデフォルトを許容する姿勢を打ち出したことが原因だという。日本の石油・天然ガスレビューが201…

人材育成と行動面接

思うところあって、昨年の半ばから、人事の本を集中的に読んでいた。やや古い本だが、人事コンサルタントの伊東朋子さんが、2008年7月に幻冬舎メディアコンサルティングから出された「科学的手法で絶対に成功する採用面接」が個人的にはとても面白かった。も…

韓国問題の核心 締結に14年かかった日韓基本条約

先日、韓国の外務大臣が、ジュネーブの人権委員会でまた日本を非難したという。大統領も、外務大臣も、謝罪しろということは、お金を出せということだ。知人の年配の方に、現代韓国史を少し勉強しているというと「一体どうしてこうなってしまったのか」と聞…

時論 2014年3月

ソチではパラリンピックが始まり、日本の選手が大健闘している。救難信号も出さずに行方不明となったマレーシア航空機はまだ見つかっていない。自衛隊も捜索に協力するという。3月10日は東京大空襲の日であり、3月11日は東日本大震災の日だ。あれから3年がた…

天下の暴論 2014年3月

1.静岡空港問題 泥棒に追い銭、悪女に深情け、ハダカの王様 2.「アンネの日記」事件の闇 3.ウクライナの資源と欧州市場の争奪ゲーム 1.静岡空港問題 泥棒に追い銭、悪女に深情け、ハダカの王様 「新幹線に静岡空港駅を設置すると東海道新幹線の輸送…

ウクライナからアジアへ

1.クリミヤ半島はロシアの影響下へ 2.米国は大丈夫だろうか 3.ドイツとロシアの協調 4.ウクライナからアジアへ1.クリミヤ半島はロシアの影響下へ ロシア軍と思われる国籍不明の武装勢力がクリミヤ半島を出現した後、オバマ大統領は「ロシアがクリ…

守っているのはロシア側

2月24日、ロシア軍の戦略核爆撃機が、竹島と中国・韓国が領有を争っている地域の上空を飛行し、韓国がスクランブルをかけたという。ロシアの女子選手が金メダルをとったことに対して、異常な抗議が韓国からなされたことへの反応だろう。韓国のロシア批判はそ…

宗谷トンネルが拓く日本の新たな地平 第四の矢

1.ソチでの首脳会談 2.「引き分け」の意味 3.宗谷トンネル 4.日本の新たな地平 第四の矢1.ソチでの首脳会談 少し前のことになるが、ソチの冬季オリンピックの開会式に出席した安倍首相は、プーチン大統領と首脳会談に続けて非公式の昼食会を行った…

ソチとウクライナ

黒海沿岸のソチでの冬季オリンピックが終わった。新たな多くの物語が生まれた。ウクライナの騒乱は、ロシアが冬季オリンピックで動けないうちに始めたのかもしれない。欧米各国は新たな政権への移行を後押ししているが、ロシアは当然否定的だろう。ヤヌコビ…

内外情勢 2014年2月 国民の統合

1. グローバル化と国民の反発 2.ウクライナの帰属意識 3.エストニア国境 4.日本国憲法 5.日本の美学 6.国際政治の非情さ 7.オバマ政権のリバランス 8.中国に対抗するインドとロシアそして日本 1. グローバル化と国民の反発 欧州を東欧・西欧…

いよいよバブルが崩壊する中国の反日宣伝

新しい都知事となった舛添さんが仕事を始めた。老朽化した首都高をオリンピックまでに何とかするという。選挙は、最終投票率は46%で、舛添さん211万3千票、宇都宮さん98万3票、細川さん95万6千票、田母神さんが61万1千票だった。あまりにも2人の元首相がい…

積雪の2月9日朝に思う 

1.積雪の2月9日朝に思う ロシアのソチでオリンピックが始まった。開会式は現地時間の20時14分からなので、時差は5時間、日本は翌日の午前1時14分だった。安倍首相は7日の朝、北方領土返還全国大会での挨拶を済ませた後、ロシアに向かい、ソチで開会式に出…

日本国民の静かな怒り

1.都知事選挙が始まった 告示日前日の夕方の出馬会見を設定した元首相の出馬会見を動画で見た。都政というよりは、文明論を語り、数十年先の人口減少、ライフスタイルの転換を語った。それでいて都知事になったらすぐ訪中するという。突っ込みどころ満載だ…

お殿様は今日も好き勝手

1.お殿様は今日も好き勝手 細川元首相は22日の夕方に都知事出馬の記者会見をするらしい。大手メディアは何種類も予定稿を準備するのだろう。ただいずれにしても23日の告示の日の朝刊なので公約にあれこれ言うことはできないのではないか。そこがお殿様陣営…

忘れられた殿様の反乱 今ひとたびの夢

1.久しぶりの日本のリーダーの登場 安倍首相の高まる評価 2013年12月の週刊ダイヤモンドに載ったユーラシア・グループのイアン・ブレマーのインタビュ-が興味深かった。「オバマ政権が揺れているが、・・・米国経済の成長に影響がなかった。・・・米国には…

アフリカ・ノート 

安倍首相は1月早々から全力疾走の感がある。トルコの首相を日本に招いて首脳会談を行った後、外務大臣と防衛大臣は一か所ずつ訪問した足で、フランスとの2+2に臨んでいる。太平洋においても、タヒチにあるフランス軍との連携が強化されるのではないか。並行…

海ゆかば 都知事選挙の行方

1.やっぱ好きやねん「やしきたかじん」 1月3日に「やしきたかじん」さんが亡くなった。関西のテレビ番組の率直な物言いと人柄で人気の司会者であり、女心を歌う高音の歌声で愛された歌手だった。そして何よりも人物を見抜く達人だった。橋下徹大阪市長も安…

動乱の主役は中国

1.米国の迷走 米国の国防長官は4日の日本の防衛大臣との電話会談で、日本が「周辺国との関係改善」に取り組む重要性を強調し、地域の平和と安定という共通目標のため、日本側が近隣諸国との関係改善に方策を講じることが重要だと指摘したという。理不尽な…

2014年年頭 アジアの動乱の中で

2014年が始まった。多くの人々に幸多かれと願う。安倍政権はこの1年、実に多くのことを成し遂げた。デフレ脱却は道半ばとはいえ、過度の円高が是正され、何より世の中が明るくなった。世界における日本の存在感も急速に回復し、2020年の東京オリンピックの開…

靖国公式参拝への反応 「たかが日本、されど日本」

12月28日のTBSの情報番組「情報7days」で、視聴者を対象にした「安倍首相の靖国参拝」緊急世論調査が行われた。3万名超の投票がなされた結果、68%が「安倍首相の靖国参拝」に賛成し32%が反対だった。Yahooの意識調査では、8割近くが安倍首相の靖国参拝を「…

ガッカリする米国もあれば、信頼できる米国もある

1.17年目の普天間問題の進展 沖縄の仲井真知事が、名護の市長選挙の結果とは関係なく、辺野古埋立申請の可否を「年内に決める」と言い出したのは12月13日だった。25日に安倍首相と仲井真知事のトップ会談があった。首相は基地負担の軽減策を発表するととも…

年末の国内政治を巡る様々な議論

3年3ケ月に及ぶ民主党政権の政治的な閉塞感が完全に打破されて、安倍政権は日本の安全保障の強化を急ピッチで進めている。臨時国会終了後に、来年度の税制を決め、ASEAN10か国との特別首脳会合が行われ、防衛大綱の見直しと中期防衛力整備計画の改定が…