アジアからの米軍の撤退

1.ウクライナの石油
 3月14日の金曜日に世界的に株価が下がった。クリミア半島での住民投票をめぐる情勢の緊迫化と、中国が景気減速下にもかかわらず民間債券のデフォルトを許容する姿勢を打ち出したことが原因だという。日本の石油・天然ガスレビューが2010年11月に黒海油田について書いていた。ウクライナを西部、中央、東部に分けると、どうも、ウクライナの天然資源はロシア語地域のウクライナ東部沿いの海岸沖にあるらしい。クリミヤ半島の東側と西側に広がる大陸棚地帯とその南側に広がる大水深海底に石油があるようだ。ウクライナを分割したくない理由にはそこにもあるのではないだろうか。
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3696/201011_069t.pdf
2.アジアからの米軍の撤退
 米国のライス大統領補佐官は、今週、米国の在外公館長らを集めた会議で、ウクライナ情勢を例に、米国の経済力や軍事力、同盟国のネットワークには「どの国も対抗できない」と語り「世界は米国を頼りにしている」と述べたという。事実ではあるが、そう報じられれば報じられるほど不安を感じている。
 ワシントンの日高義樹さんは、2015年12月に韓国に戦時統制権が返還された後、2016年に米国陸軍部隊は完全に韓国から撤兵するとみているようだ。そして、アジアを取り巻く西太平洋、日本海から南シナ海、インド洋からペルシャ湾に至る広大な海域は、米国の戦力地域からはずされることになるという。その結果、アジアにおいて、これまで予想しなかったような大動乱が起きると予測している。インドやASEAN諸国などとのシーレーンの防衛に関する協定が必要かもしれない。 集団自衛権の必要性がクローズアップされる。
3.中国
 国防省もCIAも、中国国内の政治情勢はきわめて不安定になっていて「習近平政権は軍部の圧力のもとにあり、中国の地方は完全に無政府状態だという。軍部の力がなければ中国の統一は不可能な状態になっていて、習近平政権の誕生は、実質的には軍部による政権収奪であったと見ているという。
 中国のジニ係数が0.61だったことを書いたのが2013年1月だった。中国のジニ係数は1980年代初頭まで0.3以下だったが、2000年には0.412と国際警戒線を上回るところまで上昇し、西南財経大学(四川省)と中国人民銀行中央銀行)金融研究所が、全国25の省・直轄市自治区8400戸余りの家庭を調べた2012年の状態だった。過去に0.6台となったのは、ボツワナシエラレオネ中央アフリカボリビアだった。いつ何が起こっても驚くには及ばない状況である。昨年からそれにPM2.5の環境破壊が加わった。もう一つ忘れていけないのは水不足だった。

 2016年7月にあるとされている衆参同日選挙までは、安倍政権は安定しているとされているが、どうしてどうして国際環境は前途多難、騒然としている。