天下の暴論 2014年3月

   1.静岡空港問題 泥棒に追い銭、悪女に深情け、ハダカの王様  
   2.「アンネの日記」事件の闇
   3.ウクライナの資源と欧州市場の争奪ゲーム
1.静岡空港問題 泥棒に追い銭、悪女に深情け、ハダカの王様
 「新幹線に静岡空港駅を設置すると東海道新幹線の輸送力が傷んでしまう。短い区間にたくさん駅を造れば本数が入らない。トンネル幅を広くして、安全性が確保された駅を造るには、どう見積もっても400億円以上必要だ」とJR東海はいう。真面な意見だ。この空港の建設は全体で2500億円かけたらしい。空港自体は500億円で、あとは周りの整備だという。
 ただ県知事の思い込みは激しく無残である。あのぐらい、自分の発想に拘らないと一流の学者にはなれないようだ。周りは大変だろう。あそこに新幹線の駅を作るならば、掛川駅も静岡駅も廃止しなくてはならない。空港駅ができたとしても空港利用客が増える保障もない。はっきり言って発想の筋が悪いと思う。
 新たに空港ビルを拡張したいというが、本気だろうか。お客がいない、荷物がないがないのが本当の問題なのに、大きな飲食店街を作って、そこで利益を上げたいという。中部国際空港をまねたいのだろう。海上空港ならともかく、1時間に1機、着陸するかどうか分からない空港で、飛行機と景色を見ながらご飯を食べたい人がいるのだろうか。「泥棒に追い銭、悪女に深情け、ハダカの王様」の類の話だと思う。立派な人々を集めて審議会を作っても自分のお金を投じようという人はいない。自分のお金ではないので、止める人がいない。
 今の空港を3-4倍の面積に拡張するなら話は別である。3500Mの滑走路が4本あるといった国際的な空港ならば、横田基地の代替や物流ハブ空港としての意味が出てくるかもしれない。要は、今までの投資や行きがかりは別として埋没原価なのでゼロベースで見直すとこからしか知恵は出てこないというのが自分の考えである。浜松基地を官民共用空港にしてもらい、新ターミナルをつくって、今の空港を廃港にするというのも立派な考えだろう。
2.「アンネの日記」事件の闇
 首都圏にある図書館や本屋で「アンネの日記」が破られる事件が続いていた。左右の政治勢力を見渡しても反ユダヤ的な行動と発想がない日本で、こうした事件は珍しい。まして書籍が破られること自体が日本では珍しい。誰が犯人か、さまざまな憶測を呼んでいる。
 今一番疑われているのは、慰安婦問題を捏造し、反ユダヤホロコーストの問題と結びつけようとしている海外勢力だ。国旗を破いたり、人形を燃やしたり、プラカードに写真を張り付け踏みつけたりしているからだ。実はそうしたデモ隊も日本ではあまり見ない。
 歴史の本を読んでいると、犯罪や拷問のパターンにも文化の刻印が押されていることに気が付く。拷問の歴史を専門的に学んだわけではないが、たとえば戦前の日本の植民地統治時代や、戦時中になされたという拷問が、どう考えても日本のものではないと思われるものが時々ある。もしかしたらと思って、犯罪文化人類学という言葉を思いつき、検索をかけたら、そうした方向で研究している人もいることがわかった。テレビドラマのクリミナルマインドの見過ぎかもしれない。
3.ウクライナの資源と欧州市場の争奪ゲーム 
 米軍がF16をウクライナの周辺の国々に配置しだしたという。ルーマニアブルガリアとの演習を理由に、黒海ミサイル駆逐艦を進出させた。
 3月16日にクリミヤ半島では、ウクライナからの離脱とロシアへの編入を求める住民投票が行われる。クリミヤ半島は人口の6割がロシア人で、9割がロシアを話し、ロシアの基地があり、事実上、ロシアの影響下にある。それはオバマ大統領がいうように、憲法違反なのだろうか。ウクライナの暫定政権も、憲法手続によらず、火炎瓶を使ったクーデタで政権が変わった。米国もそれを支援していた。アラブの春と同じ構図である。
 米国側の意図も少しはっきりしてきた。ロシアの影響力をそぐために、米国から天然ガスやエネルギーを欧州に供給すべきという考え方が公然と表明されだした。要するにウクライナの資源と欧州市場の争奪ゲームが始まったと考えるべきかもしれない。米国におけるシェールガス革命を理由にしているが、実際には、米国が利権を持つ中央アジアウクライナ黒海海底油田と炭田のオイルシェールから供給されるのだろう。そうなるとイランや中東にしても今までと全く違ったゲームの様相を呈してくる。
 様々な思いは別として、資源のない国は、自らの独立を確保するために、原子力発電に注力しなければならないこと、そして外国人の地方参政権には明確に反対しなければならないことがはっきりしてきた。