台湾の将来は台湾が決める

 米国で国家安全保障を担当するライス大統領補佐官は11日、米国の在外公館長らを集めた会議で「ウクライナ情勢は米国の指導力に関する基本的な事実を証明している。・・・米国の経済力や軍事力、同盟国のネットワークは、どの国も対抗できない。・・・真の力とは、脅しやどう喝の能力ではなく、共通の課題に対処するため他国を結集させる力だ」と述べたという。気に入らない国への経済制裁や軍事行動、自分たちのやり方の押し付けはいつまで続くのだろうか。
 クリミヤ半島に何故それほど固執するのだろうか。米国は、この紛争を小さくすることが出来たのにもかかわらず、拡大させ長期化させようとしているかに見える。11月の中間選挙対策なのだろうか。クリミヤの住民投票への反対は、台湾独立への反対と二重写しになってくる。
 シカゴ大学ミアシャイマー教授が最近「台湾、さよなら(Say Goodbye to Taiwan)」と言う論文を発表したという。長期的に見れば中国がアメリカと同じぐらいの覇権国となり、アメリカはアジアの覇権を中国に譲るだろうと予測する。台湾には三つの選択がある。第一は台湾が核保有国になれば中国も武力侵略を躊躇う。第二は武力侵攻に多大な損害を与えうる防衛力を持つこと。第三は香港方式で中国の属国となることだという。香港方式が最も犠牲が少なく、長期的には「台湾、さよなら」ということになるという。
 台湾は日本の生命線であり、運命共同体であると考える台湾研究フォーラム会長、永山英樹氏は、国民党政権が強引に進める歴史教科書の中国化と反日化は、中国の日台離間・台湾併呑の戦略に呼応したものだという。
 台湾が中国に併呑されれば日本、フィリピンなどのアジア諸国は中国の覇権に取り込まれ、米国はハワイまで後退する。台湾は東シナ海南シナ海を結ぶ要の地である。そして尖閣諸島は、台湾と沖縄を守るための要の地である。台湾、沖縄、北海道への中国の進出は、中国本土が公害で住めなくなり、汚職で政府の統治機構がボロボロになればなるほど攻勢を強めているような気がする。
 台湾の将来は、台湾が決める。クリミヤの将来はクリミヤが決める。チベットの将来はチベットが決める。ウィグルの将来はウィグルが決める。そして、日本の将来は、日本が決める。