2014年年頭 アジアの動乱の中で

 2014年が始まった。多くの人々に幸多かれと願う。安倍政権はこの1年、実に多くのことを成し遂げた。デフレ脱却は道半ばとはいえ、過度の円高が是正され、何より世の中が明るくなった。世界における日本の存在感も急速に回復し、2020年の東京オリンピックの開催が決まった。
 そのほかにも多くの驚くべき進展があった。国家安全保障会議が発足し、安全保障政策が公表され、防衛大綱が見直された。中国の軍拡に対応し離島防衛力の強化が始まった。集団的自衛権の議論に向けて、内閣法制局長官を交代させた。そして沖縄には2021年までに一括交付金を3000億円以上投入することを約束し、本土との一体感を確保し、辺野古への埋立認可を取り付けた。1996年の日米合意以来17年目にして普天間問題は大きく動き出した。報じられることは少なかったが、12月にはASEAN40周年の特別首脳会議が東京で開催された。内戦が始まりつつある南スーダンでは、武器輸出3原則の例外として、韓国のPKO部隊に実弾1万発が融通された。南海トラフ地震や首都直下型地震に対しては、国土強靭化法案が成立し、その具体化が今年から始まる。農政の長年の課題であったコメの減反政策の見直しと農地の大規模化が動き出した。NHK経営委員は新たにメンバー入替えとなり、NHKの新会長が選ばれた。そして12月26日に首相は靖国神社公式参拝し、国民の多くはこれを支持している。
 今年もわが国の行く手には内外の様々な困難が予想されている。アジアの動乱の中で国家の存亡興廃がかかった1年となる。具体的には、名護市長選、東京都知事選をこなした後、4月に消費税が引き上げられる。内閣人事局の創設と教育再生計画が国会審議となる。外交安全保障では、集団的自衛権が議論されるが、米国オバマ政権は迷走気味であり、きちんとした歯止めを作る必要がありそうだ。時にイライラさせられる発言も出そうである。トルコを皮切りに、インド、アフリカ、南太平洋、そしてロシアとの外交が本格化する。
 盛りだくさんではあるが、大局的に見れば、アジアの動乱の中での日本の再生が今年のテーマとなる。