選挙が終わって  今後の日本政治

 選挙が終わった。終盤300議席を超すかと予想された自民党は単独で290議席を獲得し1人を追加公認した。安倍首相は24日に首相に指名され、第3次安倍内閣が発足する。東京1区で、民主代表の海江田氏は自民前職に敗れ、比例代表でも復活できず落選が決まり、民主党代表を辞任した。当初40−50議席を減らすと見られていたが、与党(自公)でみれば、増減なしの結果なので政権は引続き安定しているともいえるが、自民党単独では公示前の295には及ばなかったし、明確に改憲を主張していた次世代の党は所属議員を大幅に減らした。一時は自民党単独で317議席に迫る勢いもあったが、最終的には国民の警戒感が働いたとみてよいのではないか。ひとまずアベノミクスは信任された。今後は地方創生などの第3の矢が進められ、経済の足腰がどのように高められるかが焦点になる。

  自由民主党 295 → 291 
  公明党   31  → 35
  民主党   62  → 73
  維新の党  42  → 41
  次世代の党 20  →  2
  生活の党   5  → 2
  日本共産党  8  → 21
  社会民主党  2 → 2
  無所属 14、 欠員1 →  8

 安倍首相の究極の政治目標は改憲であることは変わっていないだろう。尊敬すべき政治評論家の杉浦正章氏によれば、2年後の参院選改憲関ヶ原と位置づけた政治が展開されるはずだという。最近の彼の今後の日本の政治の見通しについて抜き書きする。

改憲について「3分の2の多数を形成できるものからやっていくのが現実的」だとして、政党間の合意が出来る項目から発議して国民投票にかける作戦をとるはずだという。まず環境権、地方自治の拡充、自衛のための必要最小限度の実力組織としての自衛隊の存在を憲法に明記することを軸に、一朝有事の際や東京直下型地震など大災害時に対応する緊急事態条項が検討される。

●ただ現状における参院議席は、自民114,公明20、維新11,次世代7で、合計しても152議席であり3分の2の162議席に届かない。当面アベノミクス原発再稼働、安保法制にエネルギーを注ぎ、改憲は折に触れて問題を提起しつつも、再来年の参院選挙で参院でも改憲発議の3分の2を目指す長期戦の構えであろう。