まだまだ続く「歴史の見直し」

 今月の初めの朝日新聞慰安婦に関する「強制連行」の記事取消は、北朝鮮が「拉致問題」を認めた時と同じかそれ以上の衝撃で、「歴史の見直し」をすすめていくことになるのではないだろうか。戦争を礼賛する訳ではない。戦争の真実がわからないと、次の戦争を防ぐことが出来ないからだ。
 日本の歴史叙述はまだ真面な方だと思うが、それでも現代史の本を読んでいると、多くの矛盾と間違いに気が付くことがある。新しい仮説を証明しても、世の中の通説を覆すことはかなり難しい。強制連行がなかったことはもう20年以上前に証明されていた。吉田という人もそれが嘘であることを認めていたからだ。
 何故これからも、まだまだ歴史の見直しが続くかと言うと、見直されるべき事実が幾つか控えているからだ。例えば、日本軍による「南京大虐殺」である。すでに数年前に記念館にある写真の全てが偽物であることを証明されている。ただ南京は支那の歴史の中で何度も虐殺起きた虐殺の地だという。日本軍にそのイメージをカブセたのだった。「性奴隷」という言葉も酷い。日本の歴史に奴隷制度はなかったと言われているが、奴隷制度の本家本元の国々が日本を奴隷制度で攻撃している。そんな歴史の嘘を鮮やかに証明して見せたのが、水間政憲さんの一連の著作である。戦前の朝日新聞アサヒグラフを資料として、現在の歴史の幾つもの嘘と真実を証明してしまった。だがそれが通説になるにはまだ時間がかかりそうだ。
 現代史の叙述は、現実の政治に左右されやすい。左右を問わず、今も賠償利権や謝罪利権をあさる人々がいる。占領史観やコミンテルンの影響下にあった恩師の見解を大事にしている歴史家もいる。事なかれ主義で他社の間違えを指摘しないメディアもある。過去は水に流して未来志向で行こうといって、何度も騙される国もある。日本にも、韓国にも、米国にも立派な人はいっぱいいるのに、なぜか、その人たちの声が消え、歴史の不当な評価を受けがちである。
 李完用閣下は、現在の韓国においては親日派売国奴の代名詞だ。盧武鉉政権下で、その子孫は政府に土地を没収されている。だが、彼は根っからの親日派ということは全くない。1896年に高宗をロシア公館に避難させ、その奇策に、小村寿太郎勝海舟をして、敵ながらあっぱれと感心させた政治家だった。しかしその後、ロシア公使と対立し、日露戦争勃発後は親日派となった。
 「庇護を求める国を転々と変えるオポチュニストのようにもみえるが、じつは、弱小国韓国として、その場でそれしかないレッサー・イヴル(次善の策)を選んだ。・・・李完用が、いずれは韓国が列強に併合される客観的状況は認めつつも、ロシアの専制よりも、伊藤の開明的支配に期待した」というのが岡崎研究所岡崎久彦さんの評価だ。
 李完用閣下は、親日派となってからも、日本語はけっして学ばず、日本語で会話したことはなかったという。1926年に亡くなったが、国葬でもないのに彼を惜しむ葬列は数キロに達したという。