衆議院選挙 投票日1週間前

 公示後、大手のメディアは序盤の選挙動静として一様に自民党300議席超えという報道を始めた。今回の選挙は、消費税の引上げ延期とアベノミクスの継続を名目にしているが、安倍政権の信任投票だと考える。
 今回の公示前の時点での480議席の内訳は以下の通り。この選挙では定数が5減るので、改選後は小選挙区295、比例区180の475議席となる。
 ①自由民主党 295、 公明党 31②民主党 54+8 ③第三極政党 67(維新の党 42、次世代の党 20、生活の党 5)
④ その他 25(日本共産党 8、 社会民主党 2、無所属 14、 欠員 1)
選挙の予測をする際に、公明党共産党組織力に優れているため、それだけに手堅いこと、無所属議員はそれなりに根強い支持基盤を持っていることも多い。そのため公明党ならびに④の共産党を含むその他グループを先ず定数項とみるのが自分の考え方である。とすると問題は残りの419議席をどのように自由民主党民主党、第三極の政党で争奪するかということになる。
 前回の総選挙では第三極の政党がそれなりにブームで、民主党を飛び出した人たちが幾つかの政党をつくっていたが、今回一部の人は民主党に里帰りし、みんなの党グループのある部分は、維新の党に集約された。維新の党は比較的新しいメンバーの顔を見ると、いかにも第二民主党のような顔ぶれだが、結党の中核である大阪の市長・府知事の主張は自治労依存の民主党とは相いれない。保守系の議員は、ほぼ次世代の党に集約された。維新の党、次世代の党は、今回は追い風も支援組織も個人の知名度もないだけに厳しいと思われる。
 週刊誌を中心とするマスコミ各社は全て、公示前の予測で自民党が20−50議席を減らすとしていたが、それならば伸びるところがあるはずだが、共産党を除く野党は今回伸びる要因がない。
 民主党の首脳陣は、10月末まで解散を歓迎すると言っていたにもかかわらず、いざ解散となると大義なしと言い出し、続いてアベノミクスは転換すべしと言い、最近では民主党政権時代の方が経済成長していたと言い出したので驚いた。ドルベースのGDPのことを言っているらしい。おかげで悪夢の3年3ケ月を思い出した。経済統計が読めない政党が真面な経済運営はできない。そのため野党で確実に伸びると予想されるのは、共産党だけだ。ただ8議席からのスタートである。そうであるならば、自民党の300議席越えは当然のことかもしれない。
 直前まで選挙に出ることを示唆しながら、結局、大阪市長・府知事は出馬をとりやめたが、維新の党は公明党候補のたっている選挙区には候補をたてなかった。選挙後に大阪で新しい動きが出てくると思う。