天下の暴論 オスプレイと原発

 民主党からの議員の離脱が絶えず、国会は梅雨明けとともに、総選挙ムードが高まりつつある。民主党幹部は、民意を甘く見てはいけないと言ってオスプレイの配備見直しを言い出した。もはや民主党には国民を説得する力は無い。党内の議員を説得する力もない。安全保障を考える能力がない。日米安保条約上、核兵器以外の装備品は事前協議の対象ではない。
 9月の民主党代表選挙で、野田首相の党内選挙での再選を伝えられているが本当だろうか。個人的には選挙対策のために看板の掛け替えがいつ起きても不思議ではないと思う。ただ看板が替っても中身が変わるわけではない。
1.オスプレイは、「中国の新幹線」ではない。
 連日のように、メディアは、オスプレイが危ないと報じているが、その根拠は10年前の初期不良の問題か、引退した1-2人の米軍関係者の専門技術的な意見に限られている。
 オスプレイが危ないならば、それに乗せられる将兵はもっと危ない。乗っているだけで危険ならば自軍の将兵の士気にかかわる。米国のメディアが黙っているはずがない。オスプレイが現在飛んでいるCH46などのヘリより格段、危ないわけがない。危ないものなら、米軍が自分の将兵を乗せるわけがない。「中国の新幹線」とは考え方が違う。オスプレイに限らず、米軍で新しい兵器・装備品に構造上の危険があれば、その原因が取り除かれるまでその運用は直ちに中止される。ただどんな報告書が出たとしても、誰も装備品の「安全」に百パーセントの「確信」など持つことはできない。
2、ジュゴンの安全よりも日本の安全。
 普天間基地は世界一危ないと言われるが、いつまでも近くに小学校をおいておくのかと思っていたら、良い移転候補地があっても、基地反対派が移転させないのだという。マスコミの取材用のショールームにされているという。近くにある大学は、基地の後から作られた大学である。あそこに大学を作った経営者が批判されるべきだろう。辺野古にはジュゴンが棲んでいるので、その環境を守るべきだという。普天間の周りの住民の環境を守ることの方がもっと大事なはずだ。
 普天間基地の賃料が良いため、本当は移転させたくないのだという人もいれば、反対運動をしている人は、皆、本土から来たプロの活動家だという人もいる。だとすれば、政治的指導者の決断だけが必要である。
3.尖閣諸島の防衛 
 石原知事の尖閣諸島購入発言に対し、政府は国有化に向けて動き出したという。本当に首相の決意があれば順序が違う。先に与那国島下地島自衛隊を配置する。尖閣諸島に守備隊を常駐させる。多くの人が、心配しているのは、政府の事なかれ主義だ。政府が購入して日本国民の立ち入りを禁止すれば、2013年以降に中国の新体制が固まるまで、中国に献上する時期を待つだけの今の状態が続く。
 オスプレイは、離島が多い地域での作戦には非常に有用だ。大規模災害時の救援活動でも効果が期待できる。その行動半径は700キロだという。沖縄・尖閣の距離が440キロ、沖縄・福建省の距離は370キロであり、現在中国は福建省に新しい空軍基地を建設中とのことだ。
4.中国の危機は尖閣の危機
 様々なメディアで、政権交替期特有の権力闘争が中国で行われていることが報じられる。しかしそれだけではない。中国系のメディアは、指導部の危機感をあらわにしている。危機が潜在的な危機から現実的な危機に変わったこと、中央の方針と政策が地方で十分に執行されていないこと、地方政府が勝手に権力を拡大・濫用していること、地方経済の悪化や住民との関係が悪化していることなどが指摘されている。今まで経済成長で隠れていた社会の歪が、バブルの崩壊、公害問題の深刻化、腐敗汚職の蔓延もあって、表面化してきているのではないか。ベタ記事に注目すれば、連日のように中国各地で、暴動やストライキ、武力衝突が起きていることが報じられている。チベットやウィグルでの弾圧も報じられている。こうした混乱の中では国民の眼を外に向けようとするのは、ありがちなことだ。周りの国には迷惑だが、しっかりと守りを固めなければならない。
5.電力会社の社員は発言してはいけない。
 政府が原子力発電に関して意見を聴く会を各地で開いている。抽選で発言している人を選んでいるが、電力会社の社員が原発擁護論を唱えたことで、左派から批判されると、電力会社の社員は発言してはいけないこととなった。
 そうであるならば、外国人も発言してはいけないし、太陽光発電で商売をしている人も発言してはならない。利害関係者が発言してはいけないならば、音楽や文学をやっている人たちしか発言できなくなるだろう。それで正しい意見が出てくるはずはない。
 原子力事故の後、政府の責任ある地位についていた人たちは、発言してはいけない。消費者庁の役人の給料も消費者と同じ視線となるためには30%給与を削減してから発言すべきである。
 再生エネルギー30%という計画は誰が立てたのだろうか。その時の電力料金が個人の家庭でいくらになるのかを教えてほしい。出来ないとわかっていて約束する体質は全く変わっていない。どう実現するかの目算もないマニフェストだ。こうした無責任な人たちは特に発言してはいけない。
6.海上原子力発電所
 地震が危なくて、津波が心配ならば、原子力発電プラント船を作り、その上に原子力発電所を作れは、ほとんどの問題は解決する。
7.「政権交代が成功だと思ってない人がいる」というのは嘘だ。成功だと思っている人には最近会ったことが無い。