政治ノート 悪夢のフラッシュバック 

 国民はサッカーの日本チームを見て一服の清涼感を得た。日本ならでは戦い方があり、負けたところで「負けっぷりに男らしさが出る」ことを久しぶりに思い出した。
 一方、日本ではここ数カ月のことを思い出させる事件と出来事が多発している。選挙自体も、菅首相の消費税公約がブレて前政権の迷走を思い出させたため、過半数獲得が予想された参議院選挙の行方が混沌としてきた。菅首相民主党の若手政治家がご自慢だが、国会議員として年間二千万を超える収入を得て何年も野党として政策を研究をしてきた割には実務能力が低すぎる。国営企業ではない日本航空に幾らつぎ込むつもりだ。前原さんは安全保障と強気の発言以外は全く期待できない人ではないだろうか。事業仕訳も、あの程度ならば学校を出てⅠ-2年の社員が担当する原価検討会の域を出ていない。売名以外に何か付加価値はあったのか。口蹄疫は終息しそうだが、昨日また一頭の感染が報じられた。自民党は4月から対策を騒いでいたのに民主党は5月の連休をのんびり過ごしていた。誰も言わないが平野官房長官普天間代替地探しで連休明けに鹿児島に行った帰りに宮崎によってから事態の重大さに気がついたのではないか。ここに2週間の差がある。自分には村山内閣の阪神淡路大震災の時の対策の遅れと、この宮崎口蹄疫問題がダブって見える。いずれもその罪、万死に値する。
 あまり大きくは報じられなかったが、6月末から防衛省は、沖縄の与那国島の上空の「防空識別圏」の境界線を与那国島の西側に是正した。変なことだが、今までは米軍が1956年に設定したまま、島の西側3分の2は台湾の防空識別圏になっていた。また、かねて課題とされていた台湾から111キロの距離にある与那国島への陸上自衛隊配備が検討されている。大阪に中国人が数十人来て、どういうわけか在留資格をとり生活保護を受けていたことが明らかになった。子供手当の海外への支給も行われたはずだが、どういうわけかマスコミはそれを報じようとしない。通常ならば深堀りされるはずなのだが・・・。外国人地方参政権のみならず、国籍法、ビザの緩和など本当にこのままで良いのだろうか。民主党の候補者一人一人に聞いてみたい。アメリカでロシアのスパイが集団で逮捕された。国を開くのは良いとしても、防諜法と情報省の整備なしにズルズルとして良いはずがない。サミットが終わったらすぐに、米国は普天間問題のツケを数百億円増額してきた。米国も米国だが、バカな政権を持つとお金がかかる。普天間も未だ実質上何にも解決していないことも思い出した。言語、民族が同じでも、異なる歴史を持つ沖縄に政治は真剣に取り組めるのだろうか。当時はあまり好きではなかったが、佐藤首相や橋本首相の発言と行動の重さに思いが至る。
 考えてみれば、学校教育において、戦後のことは平和憲法しか習わず、戦争前のことは大正デモクラシーまで行くのがせいぜいという歴史教育はおかしいのではないか。神話時代まで遡ることも我が国の歴史を考えれば大事なことだが、戦後数十年の歴史と社会で対立する考え方を学ぶことが、民主主義国家の構成員として大事だと思えてならない。ただ、その難しさに直面すると、普通の先生がそこに逃げ込むのはよくわかる気もするけれど・・・。