天気晴朗なれども波高し 

 台湾国防部は10月20日に発表した09年版「国防報告書」で、中国の新型原子力潜水艦や中距離弾道ミサイルの開発状況(約1300基の配備)などから、中国は既に外国軍を阻止する力に加えて、北東アジアや東南アジアの軍事基地の一部を戦略的に威嚇する能力を備えていると分析しているようだ。

 韓国を訪問したゲーツ米国防長官は韓国に対し、北朝鮮の従来の地上侵略能力は衰えているが、依然として韓国に甚大な破壊をもたらす武装力を備えている。北朝鮮の核については「完全で検証可能な非核化に向け努力する」とし、米国は「核の傘」と通常攻撃、ミサイル防御能力による米国の軍事力を総動員した抑止力を提供することを強調したようだ。韓国政府当局の危機感の高まりの反映なのか。

 すでに本年5月、豪州のラッド首相は、新型のF35戦闘機100機の導入と保有潜水艦を2030年までに倍増するなどの軍備増強計画を盛り込んだ国防白書を発表した。中国は着実に軍備の近代化を進めていることもあり、インド洋や南太平洋地域など、周辺地域での有事に対応する能力を持つため、現在のコリンズ級6隻に代え巡航ミサイルを搭載した長距離航行が可能な潜水艦12隻を自国で建造するとした。豪州の国防費は1.6兆円だが、当面年3%ずつ増額する計画としている。

 この1週間、日本では普天間基地問題結論は来年半ばと鳩山首相は表明していたが、官房長官は内閣の決定ではないと否定し、岡田外相は県内移設で年内に決定したいと表明した。今週末に鳩山首相はアセアン会議で、東アジア共同体構想に米国を含みたいと表明するとの由。「扱いにくいのは中国ではなくて日本だ」と米国政府高官が発言したとか、しないとか。内政では日本郵政社長に元大蔵次官。有能な人が活躍するのに異論はないが、何なんだ。まさに天気晴朗なれども波高し。