2011-01-01から1年間の記事一覧

国難とは何か 

1.政治短観 民主党政権となって、最低、最悪の首相が2代続いたが、3人目の首相に小沢派のバックアップを受けた海江田氏ではなく、50代半ばの財務大臣の野田氏を大差で選んだ。党内の宥和とともに、自民・公明との大連立を唱え、財政規律を重視する考え方だ…

時代の終わり

10日に菅首相がようやく自らの辞任を口にし、月内に辞める可能性が出てきた。訪米を希望しても外交日程が組めず、財務大臣の辞任が日程に上り、とうとう進退窮まった。2つの外国人献金問題への野党の追求も存外きいていると感じる。 日本の政治が空白を続け…

孫武との対話 孫子の兵法を読む

中国浙江省温州の高速鉄道の追突事故の続報が日本でも多く報じられた。山東省、江蘇省、上海市、浙江省、福建省、広東省といった海に面した地域は中国で最も経済的に進んだ地域であるだけでなく、歴史的・文化的にもなじみのある地名が多い。浙江省の省都杭…

日本海の冷戦の始まり 

18日より女子サッカーのワールドカップの奇跡的な優勝に日本中が大騒ぎだった。テレビで見ていて延長戦で同点に追いつくまでは、米国に勝てなくとも仕方がないと何度も考えた。体格、実力、実績とも明らかに米国が上だった。しかし勝負はそれだけではなかっ…

民のカマドの再興

政治的空白が続いている。6月末の改造で、復興担当相が指名され、自民党の参議院議員が政務官に一本釣りされた。現政権は退陣する気など毛頭なく、与野党対立をあおり8月に「脱原発」をテーマにした居直り解散をするとの見方が一気に広がった。被災地のこと…

太陽光発電より食糧増産を  

1993年のこの時期、梅雨前線が日本に停滞し、九州ではついに梅雨明けの発表がなかった。日照不足と長雨によって日本全国の作況指数は74となった。秋口から米価は上昇を始め、結局、260万トンの米をタイ、中国、アメリカから緊急輸入を行うこととなった。仮に…

南シナ海の冷戦 アジアの自由

大震災から100日がたった。現内閣は退陣を表明しながら延命を目指すという奇妙な状況が続いている。不信任案は否決されたものの、事の本質は、政局ではなく、この人の下では国難にあたって実務が進まないという与野党の議員、識者の共通認識にあると思われる…

国軍創設に関する議論 新たな日本の創造

東日本大震災から3ヶ月がたった。いまだ瓦礫の処理は終わらず、福島の原子力発電所周辺の遺体は回収されず、家畜は見殺しとなり、国土の汚染除去に対する抜本的な措置はとられていない。復興は大事な課題だが、それだけが日本の政治であるはずもない。 普天…

傍目八目 政治短観11年6月

目処がついたら退任することを条件に、内閣不信任は否決された。1日たって居座り姿勢が明確になると民主党内で騙した騙されたといった騒ぎが起きて早期退陣が確実のものとなりつつある。そこで次の体制は、首相は、という話になった。にわかに「大連立」論議…

第三の災害 指導力の欠如の遠因と根源

東日本大震災、福島原発災害に続いて、いま我が国は「指導力の欠如」という3つめの災害に襲われている。個々の問題の処理や発言に対する疑問をあげればきりがない。役割分担はなされず、会議と政府委員の数だけが増えている。しかし眼を内に向けているばか…

復興に向けた役割分担はまだか 

11日の大地震はマグニチュード9.0の巨大地震であることが判明した。被害は様々な説がある、安否不明も含めて、死者は15-25千名となると報じられている。遺体の多くは津波が持ち去った。避難している人は45万人という。本当に痛ましく恐ろしいことだ。新潟…

春の嵐と裸の王様    

前原外相が外国人からの政治献金を禁止している政治資金規正法違反のため辞任した。これで前原氏が新たな内閣を組織して総選挙を戦うというシナリオがなくなった。民主党はお金を払えば代表選挙に外国人が投票できる仕組みをとっており、彼らの支援を受ける…

時論 11年2月

チュニジアのジャスミン革命が飛び火し、対外的には中東和平の要といわれたエジプトのムバラク政権が退陣した。北アフリカ、中東の長期政権は一様に警戒をはじめた。イランでは当初反米革命として歓迎したが自国のデモが自由化を求めると弾圧に転じ、死傷者…

森の国日本(2) 荒廃と山地酪農

東京農工大の「森林・林業実務必携」(朝倉書店07年)という辞典を傍らに置きながら、引き続き森林関係の新書を何冊か並行して読んでいる。何が起きているのか、一般に報道されることが少ないため、今一つはっきりしなかったが、四手井先生の考え方を骨組みと…

森の国日本 四手井先生の考え方 

日本の国土の2/3、2500万ヘクタールを森林が占めている。第二次大戦後の都市開発によって森林は減少しているとばかり思い込んでいたが、営々とした植林活動によって日本の森林面積は減ってない。日本の南北に2000㎞と細長く、その中央を走る山脈の南北で気候…

地方制度革命の地平 道州制の前に考えること  

サッカー・アジア杯で日本が勝ち日本中が明るくなった。九州では霧島連山の噴火があり避難命令。300年前の噴火と似ているようだ。北国では連日の大雪で一人暮らしの老人たちの雪下ろしが報じられいる。2-3年前に財政破綻した夕張市の65歳以上人口は全市民の4…

知的な誠実さと国家百年の計  

2閣僚更迭に伴う改造で財務省主導の増税路線が鮮明となった。しかし統一地方選挙を控えて与野党の対話が進展する兆しは見えない。また与党内の対立はかえって激化しつつある。年が明けて、「日本は断崖絶壁に立っている。国難だ。もう残された時間がない」…

新しい日本政治の3つの潮流   

その時々に感じたこと、考えたこと、学んだことを、微妙な問題も避けずに率直に文章にする作業を始めて100回を超えた。10月以降忙しいこともあったが、現実の政治を分析すればするほど、普段口にしない言葉を使いかねないため、書き始めた文章を途中で削除す…