復興に向けた役割分担はまだか 

 11日の大地震マグニチュード9.0の巨大地震であることが判明した。被害は様々な説がある、安否不明も含めて、死者は15-25千名となると報じられている。遺体の多くは津波が持ち去った。避難している人は45万人という。本当に痛ましく恐ろしいことだ。新潟の地震はあまり報じられていないが1万人が避難している。東電の原子力発電所の問題は終息せず、諸外国は自国民に対し国外出国命令や80㎞以遠に移動することを命じている。今日は自衛隊・機動隊の決死部隊が水の投入に全力を挙げている。電力に需給ギャップがあり、4月末まで計画停電が実施されるという。そのため被害を受けていない地域でもあらゆることの計画が立ちにくくなっている。経済的にはこちらの方が大きな影響となる。被災地を支えるためにも抜本的な対策が必要となっている。
 前回のブログで11日の朝、「現実的な判断や処理ができない内閣では、災害がおきても、国際紛争が起きても的確な対処はできそうもない」と書いたこともあって、ニュースを見るたびに心が痛む。政府の動きには理解に苦しむことが多い。個人的には政治的パーフォーマンスが過剰だと感じる。計画停電の説明に、首相の演説、経済産業大臣の演説、その上、節電担当大臣の演説まで行われ、翌日の具体的な対応が遅れた。漏れ聞こえてくる話は、テレビの前での頼りない顔と、電力会社のスタッフを怒鳴る顔だ。しかし今日にいたるまでこの危機に対処する全体としての方針が出せていない。水産庁は支援物資を自分の船で運び始めた。自衛隊はガソリンのストックを放出し始めた。それぞれの部署で頑張ることは当然であり必要なことだ。
 もっと大事なことは、避難した人たちは誰が面倒を見て、どこの物流拠点から何を送るのか、その人たちのとりあえずの住宅はどこに何戸建設するのか、壊れたインフラは誰がいつまでに直すのか、そしてどのように日本全体としての産業を復興するのかという道筋の提示である。
 前官房長官が副長官として復職した。現官房長官原発のトラブル対処におわれ、他のことに手が回っていない。腹が立って仕方がないが、被災地のことを思い、「非常時に際して、今は文句を言うまい」と多くの人が考えている。避難している人数と場所がわかっていて、ジャストインタイムの国でどうして「必要なものを」「必要な時に」「必要な量を」「必要な場所に」届けられないのか。45万人の被災者がいるのにもう今までに123万食もすでに届けましたと自慢する大臣がいた。毎日もっと必要だ。関東全域で始まった計画停電に備えるため、どの家庭でも乾電池はいる。通勤のための電車が動かなければ、自分の車で出かけるためのガソリンがいる。買占めが起こっているのでも売り惜しみが起きているのでもない。東北の親戚から電話がかかってきて、トイレットペーパーがない、乾電池がほしい、お米もほしいと言われれば親戚は買いに走る。それを非難する前に被災地の人の面倒をきちんとみることがどうしてできないのかと思う。彼らを支えるための具体的役割分担とトップの指示が必要だ。我々日本国民はこの島の上で生きている。外国人のように逃げるわけにはいかない。
 当面、1)原発問題に対処するチーム、2)被災者の現在の生活の面倒をみるチーム、3)仮設住宅を建設するチーム、4)復興計画・都市計画の原案を作るチーム、5)その他の地域を含めた産業活性化を考えるチーム、6)その他の国政全般をフォローするチームに分けて対応することが必要ではないだろうか。それらが適切に情報を発信すれば日本は動き出す。