内外情勢 2013年7月 参議院選挙

1.参議院銀選挙の結果
 個人的な事情で、この4か月間、ほとんどブログの更新ができなかった。参議院選挙を中心とした内外情勢の点検から始める。ようやく7月21日の参議院選挙が終わり、自民党が大勝し民主党は大敗した。安倍政権は信任された。自民党65議席公明党11議席 日本維新の会議席みんなの党議席民主党17議席共産党議席社民党が1議席沖縄社会大衆党議席、 無所属2議席となった。
 自分は3月29日の時点で、自民党は既に54議席を固め、「選挙区で42、全国区で22」の64議席以上を目指し動いているとみていた。65議席は、ほぼ予測通りということになるが、内容は少し違った。全国区では22議席を獲得できるはずだったが18議席だった。ただ選挙区選挙では47名が当選した。東京と千葉では2人目の候補が当選した上に、今まで苦戦していた山梨、三重、滋賀、奈良でも勝った。ただ岩手、沖縄では現職に及ばなかった。
 逆に民主党は、海江田氏の東京、枝野氏の埼玉、岡田氏の三重、前原氏の京都、そして大阪でも議席を失った。厳しい言い方をするならば、野党第一党としてのこの負け方としては異様である。鳩山、菅、小沢の名前が出るたびに民主党の票は減ったのではないか。中国が鳩山氏に光を当てるたびに、票が減ったと思われる。若手の幹事長氏は辞任を表明し、野党再編を志すとのことだが、この半年の彼の発言行動もかなり奇異だった。ここ半年で評価が最も急落した人の一人ではないか。
 維新の会とみんなの党は、ともに8議席を得たものの、3月末から7月の半ばまでの間に橋本発言があり人気が急落し連携が壊れた。共産党は、都議選に続いて善戦した。民主党と新興2党の敵失を確実に拾った。
 自民党は勝ったものの、非改選分の議席を含めて115席と参議院単独過半数122議席には及ばなかった。憲法改正という点でみると積極的な自民、維新、みんな各党の獲得議席は81議席だった。この3党と改革、無所属も含めた非改選の63議席と合わせ、「改憲勢力」は144議席となったが、改憲の発議に必要な参院3分の2(162議席)には届かなかったが。環境権など新たな理念を書き加える「加憲」を掲げる公明党(非改選含め20議席)と合わせると計164議席となることは事実だ。
2.不思議な議論
 与野党の「ねじれ」がなくなれば、「与党の暴走を招く」とメディアは批判している。自民党は論点を隠したわけでも、言ったこととやっていることが違っているわけでも、迷走しているわけでもない。自民党自体、衆参で国会議員の人数はふえても、憲法改正、国軍創設、河野洋平村山富市談話廃棄、原発再稼働、普天間基地等々の問題で一致しているわけではない。そのため「国家の再興」の為には自民党も含めて政界再編が必要だという見方が広がっている。自分はそれに賛成だ。
 中国も韓国も、日本が歴史観を正すことによって自立することを恐れている。7月11日、ソウルで日本の外務事務次官と韓国の第1次官が会談に臨んだ。韓国は「両国関係の発展にはまず日本が歴史問題の解決へ、誠意を持って対応することが重要だ」としている。彼らの思い通りに、竹島について譲り、歴史問題で謝罪しなければ、首脳会談をしない方針だという。日本の政府は、特段、懸案を抱えているわけではないので、首脳会談を急がない方針を決めたという。それでいいのではないか。中国は日本から資金調達をしたいようだ。今までならば、日本の国民が首脳会談が開かれないのはおかしいと騒ぐところだが、今回は野党に同調する動きはほとんどない。中国と韓国の意図と行動パターンを、日本国民が認識しているからだ。
 日韓における民間企業間では、一定の敬意があるのに、国が出てくると居丈高だ。韓国の中小企業の経営者の1人はこう解説する。韓国政府が政権基盤を安定させるために、日本を悪者にすることが有効だと考えている。日本を叩いても、日本では政治と経済が分離されているために、貿易など経済面で大きな障害にならないからだという。ならば、政治と経済を結びつけた対応をとるしかないのかもしれない。
 中国・韓国とも日本にいうことをきかせるために米国を口説くのに必死である。日米関係が本当に安定してきた。6月の米中首脳会談以降、特にその流れは明確になりつつあると思われる。G8でも日米首脳会談は開かれなかったが、首脳会談が必要もないくらいに緊密だという説明に、野党も含めて誰も異を唱えていない。
 駐日米国大使には、行政・外交経験のないキャロライン・ケネディ氏が内定した。オバマ大統領との関係の近さが売りだ。日米間には、尖閣諸島を含む東シナ海での中国への対応や、米軍普天間飛行場の移転といった問題もあるが、安倍政権になって、米国側のスタンスもはっきりしてきた。
 不思議なことに北朝鮮が選挙後にコメントを出していない。専門家は中国との関係が、いつ戦争が起きても不思議ではないほど悪化しているという。北朝鮮が核をエサに米国と対話し、米国の懐に入ろうとしても、米国が拒否することで、米中が裏で合意していることが明らかになっった。金正恩体制の出口がなくなったのではないか。中国、米国、韓国、日本の4者の金正恩体制に「非核化」を迫る意思統一が出来上がっているという。北の弾道ミサイルは、大気圏に再突入するための技術がないために本当に脅威を感じているのは中国、韓国、ロシアだという。