訥々たる国会の雄弁 朝鮮統治の真実

 台湾と日本とのWBCの試合はテレビでみているだけで手に汗握る凄まじい激闘だった。結果は、8回で同点に追いついたと思ったら裏で1点入れられ、9回でもう一度同点に追いつき、延長10回を1点差で日本が逃げ切った。どちらが勝っても不思議ではなかった。実は午後1時から行なわれた国会審議の中でも、温和な雰囲気の中で、手に汗握る素晴らしい質疑とやり取りがあった。
 「アフガニスタンの小麦とウズベキスタンの桜」に書かせていただいた中山成彬さんが宮崎から国政に復帰し、日本維新の会を代表して予算委員会で質疑を行なった。その様子には見入ってしまった。失礼ながら、その訥々たる口調の国会の雄弁と志に魅了された。
 経済やTPPについての鋭い指摘の後で、写真と資料を使って「歴史を直視するとはどういうことか」というテーマで、朝鮮植民地の統治の現実や慰安婦問題の真実を明らかにしたのである。
 強制的な創氏改名も、強制的な慰安婦の連行もなかったこと、朝鮮に学校を作り、鉄道を引いたのは日本だったことを、戦前に朝鮮半島で発行していた朝日新聞をベースに明らかにした。そして文部科学大臣に歴史の教科書を事実に即して書き換えるように求めたのだった。
 答える側の文部科学大臣下村博文さんだった。中山さんが文部科学大臣だったときの政務官に志願した関係だという。それとは別に、亡くなられた中川昭一さんも、安倍首相も、下村文科大臣も、この教科書問題にいち早く取り組まれ、中山さんと同じ志をお持ちになっていることは多くの人に知られている。ただ立場と是正のやり方に差があると思われた。そのやり取りは穏やかなものだったが、中山さんの志と情理を踏まえた態度に感銘を受けた。
 見終わってしばらく頭の中で反芻しているうちに、これが、「ひと目でわかる日韓併合時代の真実」(PHP研究所、2013年2月)を書かれた水間政憲さんのブログで「10日以内に大きなことをする」とテロ予告のように書かれていた事件なのだと気がついた。よくみると水間さんのブログには中山さんとの勉強会の記録が載っていた。ご本人に確認したわけではないが、今日は、お二人にとって、男子の本懐の一つを遂げられた日なのだと思う。
 この戦いはまだこれからも続くが、今日は中山成彬さんと水間政憲さんの志を記録したいと考えた。既に動画も直接的なやり取りの記録もWEBにアップされている。その議論を12点にまとめた。中山さんは、あえて安倍首相に回答を求めなかった。これが情理を踏まえた日本の大人の正しい議論の仕方なのである。
 応答者は下村博文大臣である。文部大臣になられる前は、彼のブログを読んでいて、人柄も少し存じあげているので、微笑ましかった。彼が中山さんと同じことを文科大臣に質問したとしても私はあまり違和感を感じなかったと思う。
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①中国・韓国は常に『歴史を直視して、未来志向で』と言う。歴史を直視するとはどういうことか考えてみたい。

Q: 実は国際的に日本の子供たちがいじめられている話をしたい。日本の留学生が中国韓国の学生から歴史問題を言われ、肩身の狭い思いをしている。そういう話を聞いたことがありますか?

A: 我が国の子供たちは、日本の歴史・文化・伝統を知らない。真の国際人は真の日本人であるからこそ、諸外国の人たちともきちっと話すことができる。外国に行ってみたら自分の国のことを知らない。そのために反論できない。いじめられるというよりは、多くの日本人が留学して、自分がいかに日本を知らないかを痛切に感じ、改めて日本の勉強し直すことが多い。日本の教育を変えてほしいという話をたくさん聞いている。

②植民地統治と鉄道

 日本の台湾や朝鮮の統治は、欧米の略奪だけの植民地主義とは違って、学校などインフラを整えた。台湾では八田技師が大変な灌漑事業をやった。5月8日に八田の徳を偲んでいた。

 朝鮮でも日本は同じようなことをしていた。1899年、京城と仁川の間に鉄道敷くまで、朝鮮に鉄道はなかった。1937年に朝鮮の国鉄・私鉄あわせて5000キロの鉄道できていた。1945年までにはさらに1000キロ延長した。鉄道網を短期間につくった。京城に地下鉄という新聞記事が。東京で一番古い地下鉄の銀座線、浅草-渋谷が開通したのは1939年。1940年にはもう京城に地下鉄ができた。

③植民地統治と大学

 京城帝国大学は、大阪帝国大学より7年早く、名古屋帝国大学より15年も早く建てられた。併合時点では公立学校は100校しかなかったが、昭和5年で1500校、昭和17年には4271校を設置した。しかも鉄筋コンクリート、煉瓦造り。日本は、台湾にも朝鮮にも内地と同じ統治をした。

創氏改名は強制ではない。

 創氏改名朝鮮人が望んだと麻生さんが東大で講演したら朝日新聞でたたかれた。現在使われている検定を通った高校日本史の教科書3つには、創氏改名朝鮮人に強制したと書いてある。しかし、事実は、氏の創設は自由であり強制と誤解するなとの注意を総督から促すという当時の朝日新聞の記事がある。いつでも内地式に変更、締切後も変更できるという記事もある。決して強制ではない。創氏改名の手続きに殺到しているソウル市民の写真記事もある。

教科書検定と正誤表配布

Q: 教科書検定は事実に基づき行われるというのが原則だ。3つの教科書、明らかに間違っている。本来であれば回収すべき。あるいは、これを使ってる学校へ正誤表を配布するなどしてもよいのではないか。

A: 教科書検定では学習指導要領に基づき、教科書検定審議会の学術的、専門的な審議に基づいて行われ、申請図書の具体の記述について、その時点における客観的な学問的成果や政府見解、適切な資料等に照らして、欠陥を指摘するものだ。これが欠陥かどうかは、日本史大事典、国史大辞典というところでも強制したという記述が表現されているため、教科書検定においては、これは欠陥には当たらないと判断されている「そこを政治主導で、間違いは間違いとちゃんと訂正すべき」

⑥いわゆる従軍慰安婦問題は、朝日新聞誤報から始まった。

官憲が介入したと誤解させた最初の記事は平成4年の朝日新聞の「慰安所 軍関与示す資料」だ。ところがよく見ると、悪徳業者が募集に関与しているようなので注意するようにという通達だ。当時の朝鮮の道議会選挙、当選者の8割以上の人が朝鮮人忠清南道の知事は初代、6代、8代、9代、10代、昭和20年に至るまで全部朝鮮人。他の道も同じようなものだった。この大田警察、ナンバー2の警部、高等刑事も朝鮮人。このような体制で、官権の強制連行は考えられない。

 いま慰安婦問題が世界に広まってる。ソウルの日本大使館前には慰安婦とされる少女の像がある。アメリカでも朝鮮人の多いニュージャージー州に像が建てられ、高速道路には大きな看板が出て、日本軍が女性を20万人も性奴隷をしたといわれている。それは日本人にとって屈辱である。20万人もの女性をさらっていく、その親たちは黙って見ていたはずがない。

 日本の兵隊は、世界一軍律が厳しいと世界から賞賛されていた。もちろん遅れて列強の仲間入りをしたから良く見られたいこともあったろうが、根底にあるものは武士道だった。立派な戦いをしたのに、こうしたことで侮辱されている。看過しがたい。

 官憲が強制連行したのではない。これは1枚が東亜日報であとは全部、当時の朝日新聞だ。朝鮮人が日本人の良家の子女を誘拐して満州に売り飛ばしたこと。農村の娘に毒牙とかの記事がある。これは当時の警察がしっかり仕事をしていた証明であることが分かる。日本人が何かをやったというのは、調べても調べても出てこない。戦前の日本は貧しかった。慰安婦にならざるをえなかった女性もいる。いかにも朝鮮人だけが従軍慰安婦にされたとかの誤解を解いてもらいたい。午前中に辻元議員が出したが、各国で慰安婦に関する決議がなされている。朝鮮の方は粘り強いというか、しつこく(日本人の悪行を)宣伝している。

⑦政治の責任と国際社会への対応

 歴代の外交が、その場しのぎで、謝ればそれ以上追及しないという言葉に乗せられて、談話等が出されたが、そのツケが全部いま来ている。これは自民党にも責任ある。日本人は惻隠の情や、人を騙してはいけないと小さい頃から教えられている。ところが、騙されるほうが悪いんだと、嘘も100回言えば本当になると、プロパガンダに励んでいる国民もいる。そのことを忘れてはいけない。我々はそういう意味で、国際社会でダブルスタンダードで生きていかねばならない。

侵略戦争ではない

 先の戦争は侵略戦争だったと思い込まれているが、1951年、マッカーサーは米国議会の上院の軍事外交委員会で、『日本は米国によって閉じ込められ、資源供給の道を断たれた。日本が戦争を始めた目的は、主として安全保障の必要に迫られてのことだった』と明確に、侵略戦争を否定している。

⑨優れた副読本の配布

Q: このマッカーサーの発言を東京都では副読本で使っている。これを全国の公立学校に配布してはどうか。

A: このような地域で作成した教材のうち、優れたものは他の地域でも活用されることは大変有意義。文科省として各都道府県の教育委員会などの担当者を集めた会議などを通じて、情報の共有化を図っていく。

⑩教科書のWEB掲載

Q; いま私たちは、子供たちがどういう教科書で習ってるのか調べることは困難。平成9年、安倍総理も、亡くなった中川昭一先生などと一緒に、日本の前途と歴史教育を考える議員の会をつくった。あれは最初、中川昭一先生が自分の娘の教科書を見たらとんでもないことを書いてあるので、これはいけないというので、教科書議連をつくって活動した。いまはもう中学の歴史教科書に、いわゆる従軍慰安婦という言葉がなくなった。これは本当に良かった。ぜひ、日本でいま使われてる検定教科書を見られるように、文部省のHPに全部出してほしい。
 中韓はすごい反日愛国教育をしている。中国からもいっぱい入って来てる。彼らがどういう教育を受けてるか知っておいた方がいい。中韓の教科書もHPに載せてほしい。

A; 日本の教科書を広く国民に、HP含め、より情報を提供するのは重要で、しっかり対応する。ただ、他国の教科書等を文科省の掲載するのは著作権の問題、その時の政治的、外交的な判断もあるので、できたら民間等でお考えになっていただければありがたい」

尖閣列島の地図

 北京の中国政府が、昔発行した地図には尖閣諸島が日本のものだと載っている。これは日本の外務省のHPに載っている。しかし台湾が発行した尖閣列島の地図はまだ載っていない。それにも尖閣諸島は日本のものと記載されている。これも外務省のHPに載せてほしい。そうしたことから、尖閣列島ははっきりと日本の領土だと明らかになっている。

⑫教育集中審議 朝日新聞関係者の招致

 日本維新の会は教育問題に一生懸命取り組んでいる。集中審議をお願いしたい。その時に、朝日新聞の関係者にもぜひ来ていただきたい。委員長に検討をお願いしたい。

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 こうした国会のやり取りを聞いていて、個人的には我が意を得たりの感がある。ただ歴史の是正の全ての責任を政治家に押し付けてはいけない。
 政治には過去を振り返るだけではなく将来を切り開くという大事な役割がある。安全保障も経済も考えなければいけない。ただわが祖先たちは、調べれば調べるほど、一生懸命に生きてきた。そして調べた限りでは、そんなに恥ずべきことはしてはいないのである。
 また米国からまた気になるニュースが流れてきた。終戦直後の日本を舞台に、昭和天皇の戦争責任をどう捉えるべきか、占領政策を担った連合国軍総司令部(GHQ)当局者らが明らかにしようとする様子を描いた米映画「終戦のエンペラー」が8日、全米で公開されるという。米国の日本関係者の間では大きな関心を集めているという。主人公は、GHQのマッカーサー最高司令官から、戦争を起こした責任を問うべき日本政府幹部の極秘調査を命じられた若手の米将校の物語だという。
 日本では、そのGHQによる歴史の書換えの是正が始まったばかりである。詳細は分からないが、ハリウッドは現在、中国を向いているとされている。中国は、宣伝には、青天井の予算を出す国である。
 尖閣諸島の問題と絡んで、米国民に第二次大戦をともに戦ったのは中国だということを思い出させるのが、今の中国の外交攻勢のポイントとなっているという。そのテーマと重なるので、要注意であることは間違いがない。タックスへブンなどを通じて匿名の投資はいろいろなところに及んでいる。日本の放送局やメディアも真実のためにキチンと戦わなければ、公共電波を安く使い、消費税の軽減を受ける意味と資格がないと思う。