ダブル選挙と地方の政治

  1.ダブル選挙の可能性
  2.防衛省辺野古沿岸の公有水面埋め立て申請
  3.国境離島の経済
  4.テロへの備え
1.ダブル選挙の可能性 
(1)日本維新の会とみんなの会の選挙協力
 自民党は既に54議席を固め、「選挙区で42、全国区で22」の64議席、更にその上を目指し動いているというのが自分の観察だ。安倍内閣は引き続き国民の7割の支持を得ている。全国区の投票先の45%が本当に世論調査通りならば、戦略よろしきを得れば全国区では22議席となる。千葉選挙区では2人目の候補を公認した。情勢次第では追加もあるだろう。1人区では岩手、山梨、三重、滋賀、奈良、沖縄の6選挙区で苦戦しているという。
 逆に他の政党はこの6選挙区への力の入れ方が問われそうだ。日本維新の会みんなの党が「民主党抜き」で候補者一本化を進めている。参議院選挙には、1人区が31選挙区、2人区が10選挙区、3人区が3選挙区、4人区が大阪・神奈川、5人区の東京がある。既に2人区、3人区ではほぼ候補者の一本化を終え、1人区での候補者調整が協議されているという。
 ところが、民主党では候補者の離党や離反が続いている。人気があるといわれる幹事長氏のコメントばかり取り上げられるが、個人的には全く理解できない発言ばかりだ。民主党の党綱領はA4用紙1枚だという。そうかもしれない。
(2) 衆議院選挙無効の判決とダブル選挙
 2012年12月の衆院選を無効と断じた広島高裁判決は、国会に期限を切って「1票の格差」是正を迫った。無効の効果について11月26日をもって発生するとし、8カ月の猶予を認めた。政府・与党は「0増5減」の区割り法案を今国会中に成立させ、最高裁で審理が始まる前に、格差2倍未満を実現し、最高裁での「無効」確定を回避したい考えだという。驚いたことに、この区割り法案にも反対する政党があるという。
 仮に最高裁で「違憲だが選挙は有効」という判決が出たとしても、国会と内閣は早期に新制度の下での総選挙実施を迫られるのではないか。「抜本改革を」といっても、全ての党が納得するのは難しそうだ。年内ならば夏の衆参ダブル選挙という話になりそうだ。
(3)衆参ダブル選挙の影響
 では衆参ダブル選挙が行なわれると何が起こるのか。衆参の鞍替えがしやすいこと、投票率が上がるため組織票に依存する政党に不利だとされる。勢いがあるところが勝つということなのだろう。
2.防衛省辺野古沿岸の公有水面埋め立て申請
 辺野古沿岸の埋立申請が県の土木事務所に出された。沖縄では号外が出たという。名護市をはじめ県議会など「オール沖縄」で反対していると沖縄の新聞は書いているが、名護漁協の同意が取れたし、辺野古区は7割以上賛成だという。仲井真知事は、申請の可否判断に8-10カ月かかるという。米政府は4月下旬に沖縄本島中南部の基地の返還計画を提示するという。これで、普天間の移転が決定すれば、人口密集地域の基地が大幅に削減され、負担が軽減されることになる。移設反対は、環境のためでもジュゴンのためでもなく、基地に反対し、反米親中のためだということが鮮明になってきた。名護市の選挙は2014年1月で、11月には県知事選挙がある。
3.国境離島の経済
 長崎県対馬市は、古来、交易や外交の窓口として朝鮮半島と密接な関係を持ち、年間15万人の韓国人観光客が訪れる風光明媚な島だ。毎年8月に開かれる「厳原港まつり対馬アリラン祭」では朝鮮通信使行列の再現パレードがおこなわれていたが、地元企業などでつくる主催者団体の会長は30年以上定着してきたパレードをやめたいという。対馬の人が大切に守ってきた信仰の対象を盗んでおきながら屁理屈をこねて返さないとは、盗っ人猛々しいという。
 朝鮮半島では統一新羅〜高麗時代(7〜14世紀)に数多くの仏像が制作されたが,14世紀末に成立した李氏朝鮮儒教を国教としたため各地で仏像破壊が起きた。惨状を見かねた日本人が廃棄された仏像を持ち帰ったと伝えられる。対馬の寺社は統一新羅−高麗時代の仏像を数十体所蔵するが大半は焼け跡や欠損がある。観音寺の仏像も14世紀前半に浮石寺で作られたようだが、傷があり光背がない。
同様の事件は過去にもあるという。長崎県壱岐市の安国寺所蔵の経本「高麗版大般若経」(重要文化財)が1994年に盗まれた経本が翌年韓国で見つかった。外務省は盗品の疑いが強いとして調査を依頼したが、韓国政府は経本を国宝指定、調査を拒んだ。1965年の日韓請求権・経済協力協定には「財産、権利などの請求権は完全かつ最終的に解決された」と明記されている。盗まれた仏像を返還しないことはユネスコ文化財不法輸出入等禁止条約にも反している。
 対岸に位置する韓国・昌原市議会議員と職員計53人が3月末に「観光・交流」目的で訪問したいと申し入れがあったが、その市議会が「対馬は日本に奪われた韓国領土」「“わが地”対馬を訪問する」と宣言していることがわかり、対馬市議会は結局断ったという。
 その対馬市議会が、九州本土から壱岐対馬を経て韓国まで全長200キロ以上を結ぶ「日韓海底トンネル」の早期建設を国に求める意見書を可決したというので驚いた。それだけ対馬の経済が苦しいのだろう。採算が合わない上に、反日無罪の国と直接結びついて良い訳がない。国境の離島にこそカジノの設営が適切なのかもしれない。
4.テロへの備え
 これから夏の参議院選挙までの間に、意図的な原子力発電所の事故や、軍用機の事故、人種的な反感を煽るためのテロ事件などが起きるのではないかと心配している識者がいる。相手国は日本の憲法が改正され、日本が普通の国に覚醒するのを恐れているので攪乱を狙っているという。もうお客さんにはできなくなるからだ。テロ行為に対する備えは充分にすべきだが、個人的には、3年3ヶ月の民主党政権の失敗によって、普通の日本人は、政界以上に覚醒している。