大きな気候変動とその影響

 ここ数日、東北の豪雪が報じられていた。青森市酸ケ湯では積雪556センチを記録したという。北海道の猛吹雪とホワイトアウトで何人もの方が亡くなられた。小さなお嬢さんを覆い被さって凍死した父親や、車で3人のお子さんと母親が一酸化炭素中毒で亡くなったとの話は痛ましかった。1M先が見えなくなるらしい。
 やはり異常気象が続いているのかもしれない。昨年夏は集中豪雨と干ばつがひどかったが、今年も農作物への被害が世界的に深刻化するのではないか。地球温暖化のもともとの言葉は「Climate change」である。この英単語で検索したら、オーストラリアの一連の異常気象(a string of extreme weather events)についてのオーストラリア政府の報告書をニューヨークタイムスが報じていた。どうやら尋常ではない状況が続いている。
 日本は、円安で小麦が高くなったとか、TPPはどうのと報じているが、それらは今まで通りの食糧生産が行なわれることを前提に論じられている。1次産業は気候変動に弱い。食糧生産や生存に必要な水は有限だ。降るべきとことに降らなければ争いが起き、降りすぎれば災害となる。今地球で起きていることの全体像を掴むのには、日本の気象庁のWEBにある世界の天候という図が役に立つ。
http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/annual/ 
この地図に頭の中で世界の食糧生産がどこで行なわれているかを重ねてみると、直感的には大変なことが起きているように思えてならない。世界の穀倉地帯で問題が起きているのではないか。TPPも食糧安全保障という観点から考えてほしい。
 異常気象と食料価格の高騰が「アラブの春」の背景にあり、アルジェリア人質事件の悲劇を生んだ。シェールガス革命は米国経済に大きな変動を持たらし、中東の天然ガスをヨーロッパに輸出させ、ロシアの経済危機を招きかねない。
 食料とエネルギーと軍事的な安全保障は、全部が自由貿易の範疇に入らないことはハッキリしている。大きな視点での議論を国会でしてほしいと願っている。