気になるニュース10点

1.野田内閣は国会が嫌いらしい。法案を積み残したまま12月9日で国会を閉じてしまった。ネジレていても主導権は政府側にある。最終日に2閣僚が参議院で問責決議案を可決された。南京陥落から74年目の12月13日に予定されていた野田首相の訪中が「中国側の事情」により中止になった。とりあえず何事もなく良かった。その日程で調整が進むこと自体、基礎学力の低下を意味しているのかもしれない。1月の訪米と日米首脳会談も中止になった。普天間問題が進まず、日本の首相と会っても意味がないということだろう。3月から6月までの間に総選挙があるならば、いずれにしても野田内閣はそこで交代となりそうだ。公明党が2012年の総選挙を決意した時点で、そうした日程は定まった。期待する人もいたが、外遊しても相手に言うべきことを言わず、国内においても国民を説得する気がない首相では活路は開けない。何より増税固執してシナリオを描いているところに無理がありそうだ。景気の先行きに赤信号がともりだした。きちっとした政権が次にできる見通しはまだ立っていない。
2.最近よくニュースに流れるのが民主党の党内論議である。意見の対立が解消できないまま政調会長一任となる場合が多い。しかし一番頑固で無責任なのが政調会長だとみる人もいる。それで纏まる訳はない。八ッ場ダム政調会長一任だという。それで良いわけがない。
3.京都議定書の延長等について南アフリカでCOP17が終わった。欧州は温暖化を止めるのではなくて、環境コンサルタントや環境運動家のためにお金を出させたがっているだけのように見える。もともと、米国や中国の参加しない条約には参加しないと言っていた日本が、いつの間にか参加していること自体が間違いだった。欧州は、日本が結局は妥協するとタカをくくっている。環境省は、環境税を導入するというが、地球は温暖化しているのか、氷河期に向かっているのか定かではない。それよりも、日本の公害防止基準を世界へ普及させる方が、よほど環境改善や温暖化防止に貢献できる。
4.太陽光発電は自然条件が良い国でも補助金なしには導入されない。風力発電低周波の騒音被害も著しいという。アメリカ、ポーランド、中国のシェールガスが注目されている。非在来型天然ガスだという。ダライラマ猊下が、原子力発電なしには貧富の差が解消しないといわれたことが気にかかっている。シェールガスの分布も偏っている。やはり日本が開発すべきはより安全な原子力発電ではないのだろうか。放射線被ばく量について、政府が腰だめで決めた数値が独り歩きしているしている感じがする。
5.朝鮮王朝時代の文献1200冊が韓国に引き渡されたという。日本側は「引き渡し」と言い、韓国側は「返還」という。日本のコトナカレ主義と韓国の反日教育が、誤解と摩擦を拡大再生産していく。韓国は慰安婦問題でまた騒ぎたい人達がいるらしい。日本にもそうした考え方のグループがある。一つ一つ文献を読み、何故、事実と異なることを教育するのかを考えていくと、ネイションビルディングといえば格好良いが、それなしに国を維持できないのではないかという仮説にどんどん近づいていく。そうだとすると彼らが苦しくなればなるほど反日活動が強くなる。総選挙の前哨戦とされるソウルの市長選挙では左派が勝ったという。また与党の混乱も報じられている。とすると早くきっちり反論すべきと思われる。
6.少し前に通産省の役人まで、石油の備蓄を韓国ですると言い出したのには驚いた。その2週間ほど前に、ウォンが下落し韓国の石油価格が上がっていた時に、日本から安い石油製品が提供されるという話が韓国のメディアで話題になっていた話と符合する。委託と贈与を取り違えたらしい。そんなところに備蓄できるわけがない。東北の仮設住宅も、日本の製品があるのに中国製や韓国製を輸入したところがあるという。
7.今年の7月下旬から11月までのタイの洪水で680人の方が亡くなられたとのことだ。50年に一度の洪水だというが、1983年、1995年にも洪水があった。元々、チャオプラヤー川の沖積地帯に開けた国であり、そこに輪中のような形で工業団地ができて、日本の工場が進出した。抜本的対策としては、やはりダムを造るか、放水路を作って水を流すしかないという。1999年にも日本の国際協力機構が入って洪水対策総合計画を提案したが、政府内で調整がつかず、ほとんど進まなかったという。東京の荒川放水路を掘った明治、大正の先人の努力を思う。
8.アジアの大河は、チべットを水源とするものが多い。毛沢東チベットに進攻したのは、この水源を抑えるためかも知れない。洪水の被害は時がたてば回復するが、干ばつの被害はそれにとどまらない。今年も6月までは干ばつの心配をしていたことを忘れている人がいる。中国の水利の運用次第では、アジアの農業がおかしくなって来る。南シナ海の自由航行と同様に、チベット雲南省、そしてアジアの各地で作られているダムの運用がアジアの運命を左右するかもしれない。
9.南スーダンPKO関連で、自民党の中谷代議士の南スーダン視察報告がWEBにアップされていた。ポイントをまとめると1)米国が南スーダンの発展に力を入れていること。2)7000人のPKOの立ち上げ段階にあり、ケニア、インド、バングラデシュ、モンゴル、ネパール、ルワンダの歩兵大隊に加え、日本がジュバに、中国がワオに、韓国がボアに施設部隊を派遣すること。3)自衛隊は、実際の道路工事や建設工事と並行して、南スーダン兵士や若者を雇用し重機の運転を教え、国土再建に必要な土木技術を教えるべきこと。4)ジュバには、既に各国の大使館が揃いつつあるが、日本は連絡事務所があるだけで人員が足りず四苦八苦していること。物資集積拠点となるエンテベ空港には、まだ事務所が設置されてないこと。
10.中国の練習空母ワリャーグの評価について専門家の解説番組があった。中国の艦載機の重量が22−23トンと重すぎること、カタパルトの技術がないこと、船のエンジンがガスタービンエンジンではなく速力が出ないこと、着艦するための制動ワイヤなどが作れないことから、油断はできないものの、今のところは大騒ぎするに足らずとのことだが、逆にそれらに関係する技術は産業スパイに十分に注意しなければならない。下地島空港から日本航空が撤退するという。そうなるとあの空港は早晩、維持できなくなる。個人的には早く自衛隊の南の守りとすべきと考える。