普天間以外の問題  通貨と防衛

 トップの腹案が何なのか、外務大臣もわからないまま、5月に決着を控えて普天間問題が毎日報じられている。内閣支持率はいまだに30%台にあるという報道に個人的にはかなり疑問を感じている。中国食品の毒入り餃子事件の犯人を捕えたとの中国当局側の発表よりは少しましか。今そう主張する中国の意図は何か。注意深く世の中を眺めれてみると、普天間の陰で報じられてないことが幾つもあることに気がついた。
 川口市と東京都の荒川区の窓口では支給が決まった子供手当を請求に外国人が毎日来ているというのは本当なのか否か。大学受験の資格ありと多くの大学が認めている朝鮮高校が問われているのは授業内容ではなく、学校と北朝鮮との関係だとどうして報道しないのか。道路は作らないと言いながら、どうして道路を作ることになったのか。「政治とカネ」「普天間」を除いても可笑しなことが多すぎる。何事であれ、兵力の集中投入は大事だが、1つのボールを全員で追いかける小学校低学年のサッカーでは、本当のゲームに勝てるとは思えない。
 鉄鉱石の鉱山会社が、オーストラリア、ブラジル、南アフリカの3社寡占になっているために、相手の言うがまま大幅に値上げされるという。背後にある英国資本はどう動いているのだろうか。現下の石油の値上がりは、戦争を先取りしたものなのか、ドルの価値下落のどちらの要素が強いのか、我が国の外交ネットワークはどこまで掴んでいるのだろうか。その方が密約より大事だ。「仲良くやりましょう」としか中国に言えない財務大臣もどうかと思う。勉強しててもしてなくても、中国当局に「一人勝ちマージャンは続かない」と得意のマージャン理論を言って煙にまけないのは何故か。米国からも信用上がるのに。
 欧米の通貨供給量がドンドン増えて、中国もドンドン通貨供給量を増やしているのに、なぜ日本円の供給を増やさないのだろうか。私には腹立たしい答えしか思い浮かばない。普通の状態ならば、円は独歩高になるはずだけれども、政府がお粗末なので円は高くならないし、軍事力に担保されない円は信用がないので高くならない。海外で受け取ってもらえない円を大量に発行すると管理が難しくなるし、バブルになるので危険だ(だったら何故デフレ宣言をしたのか)。何より国民は円高にならないことだけを願っているから何もしなくても文句が出ないのに何もやる必要はない。だったら河村さんではないが、日銀マンの給与も大幅デフレにしたらどうだろうか。世界経済が一体化しているので通貨の供給量を同じ比率で増やしてこそ、国民の努力が為替を通じて正当に評価されるのではないか。もしかしたら自衛隊を強化し、同時に通貨供給量を増やすことが、よりよい経済政策への第一歩になるのではないか。もう少し通貨をつめて勉強してみよう。
 今年になって民主政権は、昨年先送りにした防衛大綱の作成のための懇談会を立ち上げた。メンバーは、今までの東大・東京チームから京大・関西チームに変わったというのが一番短い解説だ。結論を予想すれば、分析の対象が同じなので、そう変わるはずもないと思う。ただ、気に入らなければ二酸化炭素の削減の道筋計算と同じように、無かったことにされるかもしれない。座長は京阪電鉄のオエライさん。京大出の大学教授でドイツの再軍備の専門家。京大名誉教授でアジア研究の大家で政府の研究所の所長さん。京大教授でアメリカ重視の現実外交を唱える一方の大家。慶大教授で、大国が形成する政治構造を前提としたミドルパワー外交論の先生。私大教授でエスニック紛争の専門家。防衛研究所出身で日米安保と中国問題の専門家。そして有名な国際交流機関の理事長といった面々だ。活発な議論をお願いしたいが、8月に答申を出す頃には内閣の顔ぶれが替わっている可能性が高い。ちゃんとした人たちが大臣三役になっていることを願うのみだ。何せ「同盟は言葉だけでは維持できない。」と訓示した陸上自衛隊の一佐を注意処分にし、それを擁護するメールを副大臣にだした自衛隊員を返討ちにした面々だ。訓練で裏打ちされた行動で、米軍の信頼を勝ち取るのが、彼らの役目なのだから、どこに問題があるのだろう。そんなことで処分するなら、内閣の半分はもうとっくに死刑になっていても不思議とは思わない。普通の会社では、自由闊達な言論を許容する雰囲気がある会社のほうが情報が入ってくるのではないだろうか。上司は能力・識見・人格・行動で部下をリードすべきと思うのは古い考え方なのだろうか。(それでは大臣三役が一番下になってしまうのか)それはともかく、総論が出来ないと、中期防が始まらず、毎年の予算が決まらない。戦闘機についていえば、日本がほしいF22は米国が売ってくれず、米国が推奨するF35は大幅に開発が遅れ間に合いそうもない。普天間のツケを戦闘機で払うことは絶対にやめてほしい。とにもかくにも早く決め国産化と改良が出来る機種が良いと考える。日本の領海は広く、その上の領空はかなり広い。順調に話が決着することだけを願っている。その問題は普天間と同じくらいに重要なのだが、誰も気にしてないようにみえる。