地方行政ノート 府市統合が始まった 

1.府市統合が始まった
 2015年の「大阪都」実現に向け、大阪府大阪市が4月、制度設計を実務面で支える「大都市局」を大阪市に設置するという。橋下徹市長は「エース級を集める」とし、府市職員100人を投入する方針だという。既に辞令がでて、顔合わせと勉強会が始まったようだ。しばらく前までは犬猿の中だった府の職員50人が市役所に入ってくるため、いろいろ喧しいようだ。府から派遣される職員は橋下徹市長の指揮下に入ることになるが、人件費や運営費は府市双方で負担し、大阪府が負担金を大阪市に交付するという。市の給与条例が適用されるため、府から市に入る職員は1人あたり年平均で給与が50万円上がるという。
2.大都市局の役割
 大都市局は、法定協議会の事務局として、市の事務事業を広域行政の「都」と、市を再編してできる「特別区」への仕分けなどを業務とする。市に関わる事項が多いため市長直轄で市役所内に設けられるが、トップの局長には府幹部をあてる方針。局長のしたの理事には府の幹部と市の幹部が任命されたようだ。議会側では、維新の会と大阪で連携する公明党の府市議も加わっているという。
 同時に合併・都移行には借金が6兆円を超える府の財政状況の正確な把握が不可欠とされ、府財政当局のトップには財務に精通した市幹部があてられたという。橋下市長は「組織の一体化へ一歩踏み込むためには大胆な人事が必要だ」としている。
 大都市局には5つの役割があるという。
  (1)大阪府大阪市の合併の法定協議会・府市統合本部の事務局としての役目
  (2)大阪都移行後の戦略作り 
  (3)大阪市の事業を「都」と「特別区」に仕分け
  (4)「特別区」の区割り案作りや財務・組織の制度設計
  (5)二重行政の解消
 これにより府市統合はいよいよ実行段階に入る。一方、市政改革の目玉として2012年就任した公募区長たちも正念場を迎えている。東住吉区長は更迭された。区長との軋轢で早期退職で職員が相次いで去っていく区もあるという。